ラブレターバード 全員 ヨシダ、弥ち様合作
7人の動きが一斉に止まった。
全員、8時を告げる鐘の音に耳を澄ませている。
「…8時だね…」
リーマスが囁いた。
「…本当に誰か来るのかな?」
レギュラスは思わずシリウスの顔を見た。
シリウスがその視線を受け止め、首を傾げる。
セブルスは眉間に皺を寄せたままだった。
どうやら対ジェームズで研ぎ澄まされた警戒心が、警笛を鳴らし続けているらしい。
7人は静まり返った広場に身を寄せ合った。
噴水の女神が持つ水瓶から、サラサラと水が溢れている。
よく見ると、そのずっと向こうから少年が歩いてくる。
7人は息を飲んで、その少年を見つめた。
小柄な少年だった。黒いローブの胸元に白いものがある。
それはあの青い目の鳥だった。
小さな両手に捕まれ、緊張したように首を動かしている。
「ピーター!!」
ジェームズとリーマスが同時に叫んだ。
「お前かよ!!」
シリウスが拳を握りしめたままピーターに向かって走り出した。
「え?え?」
ピーターはシリウスの殺気に逃げ出し、噴水をぐるりと回って、リーマスの背中に隠れた。
「ピーター!!」
「シリウス!ちょっと待ってよ!」
リーマスはシリウスを抑えると、ピーターに話しかけた。
「ピーター、君もその手紙をもらったの?それとも出したの?」
ピーターは7人の視線に身を縮めながら首を振った。
「あの…僕は…頼まれて…」
「誰に!?何を!?」
「シリウス!ピーターが怯えてるから」
リーマスとシリウスのやり取りをよそに、セブルスの目が噴水の向こうに向けられた。
ジェームズがそれに気が付き視線を追った。
「ピーター、見つけたかね?」
誰もが耳にしたことのある深い声が響き渡った。
セブルスの眉間に皺が増えた。