ラブレターバード 全員 ヨシダ、弥ち様合作
「それじゃあ、あれはただのラブレターじゃない…?」
「いや、そこまでは…」
「だって、僕の他にセブルスにルーピンもいるんだろう?」
「……あぁ…」
「そんなに複数に出すラブレターなんておかしいじゃないか」
レギュラスは少々興奮気味にそう言った。セブルスにはどうして彼がそこまでいきり立つのかが分からない。
どこかガッカリと落胆しているように見えた。
「お前…もしかして…、期待してたのか?」
びくん、レギュラスが不自然にびくつく。
なおさらセブルスは疑問に思った。
と、その時…、
「セブルスっ…!待って…、ごめん、てばっ」
ガサガサと草をかき分ける音がして、緑のカーテンから明るい茶髪が顔を覗かせた。
「あ、れ…?弟くんいたの…?」
途端、レギュラスの顔にサッと朱が差す。
「お前、弟って言うな…!」
「あ、ごめんごめん…つい、」
リーマスは苦笑しながら謝った。
セブルスは明らかに不服そうに唇を尖らすレギュラスを見つめつつ何とはなしに彼の兄を思い出した。
もしかして……、いや、まさかな。
デリケートな兄弟関係は、一人っ子のセブルスにはよく分からない…。
「ねぇ、そろそろ8時だよ」
「結局、僕たちだけなんだろうか…」
「ん…どうしたの?セブルス」
「…なんだか…嫌な予感がする…」
白い顔をよりいっそう青白くしてセブルスはそう言った。
まさか、この三人ぽっちでしたーちゃんちゃん。…で終わるわけが……。
あの手紙の鳥の青い瞳。
それは確かに見たことのある誰かさんの瞳に間違いないのだ。
が…、どうしてもそれが誰なのかを思い出せない。
「セブルスの嫌な予感って当たりそうなんだけど…」
「……あいつらが…いる気がする」
「あいつら、…って複数形!?」
「言わなくてもだいたい分かるね…」
三人は同時にため息を吐いた。
「とりあえず、…真ん中の方に行かない?」
「…そうだな、何か起こるとしたらそっちだろう」
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