ラブレターバード 全員 ヨシダ、弥ち様合作
生い茂った草木を避け、避け、セブルスは走っていた。
途中でなにやら名を呼ぶ声がした気もするが、振り返っても周りは鬱蒼とした植物ばかり。
セブルスの顔よりも大きな葉っぱが幾重にも重なって視界を遮っている。
「…セブルスっ…!」
後ろから聞こえるのはリーマスの声だろう。追いかけて来てくれてるらしい。
心細くもなってきたので…とりあえず、引き返そうか…とそう思ったその時だった。
突然、目の前に真っ黒な塊が現れた。
「ぅわっ!」
「わ!」
ガツン。
衝撃がして思わず尻餅をつく。
驚いて顔を上げると、呻き声を発していた相手も顔を上げた。
「レギュラスっ…!」
「…セブルス!?」
ローブに絡まれながら、よたよたとレギュラスは立ち上がる。
手を差し出され、セブルスはぎこちなくその手を取った。
「なんでお前がここに…?」
「それは僕のセリフだよ、……まさかセブルスだったなんて…」
「いや、待て。手紙の話なら僕じゃないぞ」
「え?」
きょとんとしたレギュラスに、リーマスが興奮気味に話をしていたことをセブルスは説明した。
レギュラスが明らかに不信そうに眉をひそめる。