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ラブレターバード 全員 ヨシダ、弥ち様合作


「隊長!今何時でありますか!?」

「7時だ」

「早すぎたかな?」

マルシベールが振り返った。

「それより何だその格好は?」

エイブリーは迷彩服に身を包んだマルシベールを見下ろした。
ご丁寧に頭に枝まで付けている。

「だってここ、密林みたいじゃね?つーか今どこ?全っ然分かんないんだけど」

満月まではまだ遠く、植物園は暗やみそのものだった。
エイブリーは杖を出し、丸い球を六つ打ち上げた。
球は月と同じような青白い光を放ち、浮遊してゆく。

植物園は満月の下のように明るくなった。

「顔がよく見えるようになった!」

マルシベールは感心しながらエイブリーを見上げた。
エイブリーはその反応を受け流すと、今度は建物の構造を説明しだした。

「…いいか、中央にドーム型の噴水のある広場、それを囲むように五つの小ドームがある。花を中心にしたドーム、サボテン、熱帯植物、蝶を放ったもの、鳥を放ったもの、それぞれテーマ別になっている」

「じゃあオレたちがいるのは…」

「蝶も鳥もいない…熱帯植物だな」

マルシベールはエイブリーの手首を掴み、腕時計を見た。

「どこにいようか?」

エイブリーはそわそわと体を動かす様子を冷めた目で見下ろした。
その視線を読み取るとマルシベールは腰に手を当て、尻を振った。

「だって貴方、人の不幸と恋模様は蜜の味っていうじゃない?……ちょっ、待てよエイブリー!」






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