ラブレターバード 全員 ヨシダ、弥ち様合作


「…くそ…なにをやってるんだ…僕は…」



わずかに火照りかけた頬をごまかすように、髪を掻き上げながら身を起こすと…不意に何かひらひらとした白いモノが目に入った。

セブルスの目の前にすぃーと降りてきて、二三度パタパタと羽ばたく。

その青い瞳がセブルスの暗色の瞳を覗き込んだ。



「な…んだ、…コイツ…、?」



思わずドキリとして、セブルスは身を引いた。その青い瞳を知っているような気がした。
しかし、どうしても誰だったか思い出せない…。

セブルスが戸惑っているうちに、鳥は手紙になって目の前にぽとりと落ちた。


油断はできない…。
知らないモノには触らない方がいいのだ。
セブルスには、思い出したくもないような過去がいろいろとあった…。



「……」



つんつん、と人差し指でつついてみたが特に反応はなし。
とりあえず触れても大丈夫そうだ。

そう判断して中身を見ると…、



『あなたが思っている以上に私はあなたを愛しています。
素直に飛び込むことが許されないもどかしさ、それ以上に自分を戒めてしまうこの心に、今こそ終止符を打ちたい。

夜八時に屋上の植物園であなたを待っています』



「……待って…いま…す?」



セブルスの研ぎ澄まされた、嫌な予感メーターが反応した。

差出人不明とは、いかにも危なそうな感じである。

頭の中にぽっかりと、あの憎らしい眼鏡が浮かんだが…多分彼ではないと思った。
ジェームズなら、名前を書かないわけがない。
いちいち主張したがるバカなのだから…。

セブルスがううん、と唸りまくっていると手紙は元の鳥に戻っていた。

青い瞳がセブルスを見つめる。
どうやら見つめられるのに弱いらしい…とセブルスはようやく気づく。



「…わかった、行くよ」



返事を待つような仕草がなんだか可愛くて、セブルスは鳥の頭を優しく撫でてやった。

すると鳥はくすぐったそうに小さく身震いをして、セブルスの周りを一周し高く飛び去っていった。



「あいつもあれくらい…可愛げがあればいいのに…」



思わずこぼれた言葉のように、図らずも彼のことばかり考えていることに…セブルスはまだ気づいていない…。







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