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Rainbow 鹿猫




「僕は緑がいいと思うよシリウス…」

「馬鹿言え!こういうのは赤なんだ!」

椅子に座らされたセブルスの前で、シリウスとピーターが珍しく言い合っている。

二人の手にはリボンが握られていた。

「よし!赤で行こう!」

シリウスがセブルスの前で赤いリボンを持ち、両手で伸ばした。
パーン!と無駄に気合の入った音がする。

セブルスは思わず立ち上がった。

「ピーター!!」

「ごめん!!」

ピーターがセブルスに抱きつくように押さえた。

セブルスが唸る。

シリウスは赤いリボンを首に巻いた。



「…ブラック…何故溜め息をついているんだ?」

「…いろいろだ…ピーター!蝶々結びってどうやるんだ?」

ピーターとシリウスが入れ替わり、ピーターがセブルスの首に蝶々結びを施した。

赤いリボンがセブルスの白い首、そして両手首にかけられた。


「ブラック!ぺティグリュー!誰が今やれといった!?手が使えない!!」

「ジェームズに会え!解いてくれるぜ!」

シリウスはニヤニヤ笑いながら、セブルスを廊下に押し出した。





ローブの中に手首が見えないようしまい込み、一人廊下を歩く。

リボンが見えないものの、恥ずかしさに後悔だけが募る。

ジェームズは食堂の前にいた。
相変わらず女の子や仲間に囲まれている。

ハシバミ色の瞳と目が合った。

「セブルス!ごめん!あとでね!」

ジェームズはセブルスに手を振ると、食堂へ入っていった。


セブルスは俯いた。

ゆっくりと両手を持ち上げ、首のリボンを解くため、赤い結びに指をかけた。

「セブ!!」

突然ジェームズの声がした。

食堂に消えたはずのジェームズが立っている。

セブルスは思わず杖を取り出せない替わりに、その男を思い切り蹴り飛ばしていた。

「だッ誰だ!貴様は!?」

男はみぞおちのあたりを押さえ、うずくまっている。

「…ぐッ…セブ…プレゼントにしちゃ、スパイシー過ぎるよ…」

2、3度咳き込み、立ち上がる。

セブルスは食堂の扉とジェームズの姿を見比べ、事態を把握しようとしている。

「あれ…リーマス…」

ジェームズが腹をさすりながら、眼鏡をかけ直した。

「……は?」

セブルスが呆気にとられた。
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