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Rainbow 鹿猫

ハッピーバースデー!
ジェームズ・ポッター!


「最悪だ…」


セブルスは眉間に皺を寄せ、階下からド派手な横断幕を見上げていた。

壁に掛けられた肖像画が隠れ、あちこちから苦情が聞こえている。


セブルスは溜め息をつき、背を向けると朝の食堂へは行かずに、寮へ戻った。



「…マルフォイ先輩?」

スリザリン寮の扉の前にルシウスが立ち尽くしていた。
ルシウスは腕を組み、扉を凝視している。

セブルスは静かに隣に立つと、扉を見て唖然とした。

【ハッピーバースデー!
ジェームズ・ポッター!
本日はセブルス・スネイプの恋人ジェームズ・ポッターの誕生日!
みんなでお祝いしよう☆】


「セブルス…これは果たし状か?」

「そのようですね…」

二人は扉に貼られたグリフィンドールカラーの文字を睨み付けた。

「風紀を乱す、燃やしても良いか?」

「よろしくお願いします」

ルシウスが杖を出した瞬間、背後からアーサーの腕が伸びた。

「ルシウス!これはいけないね!私も責任をもって処理しよう。一緒に来てくれ!糊を剥がす魔法薬を探さないと」

アーサーはルシウスの手から、杖を取り上げ、抱きすくめながら体を持ち上げた。
ルシウスが必死にもがいている。

「ウィーズリー!放せ!」

「早く行かないと、みんなが戻ってきてしまうよ。こんな姿を見られたら、面倒なことになる」

アーサーは器用にルシウスのネクタイを緩め、ボタンを外した。

「だったら今すぐ放せ!この手も!」

ルシウスが頬を紅潮させ、アーサーの手を掴んだ。
アーサーが楽しそうにセブルスを見た。

「セブルス!あとでジェームズに謝罪に行かせるよ。もちろん夜にね♪」

アーサーはルシウスを抱き上げ歩き去った。


セブルスは眉間に皺を寄せ、溜め息をつくと、扉の貼り紙に手をかけ思い切り引き剥がした。
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