One Love 鹿猫
セブルスはドキリとしてジェームズを見上げた。
自分と同じことを思い、そして言われたことが震えるほど嬉しかった。
ジェームズの顔が薄暮に溶けてゆくようだった。仰向けのまま、そっと手を伸ばし、頬に手を添えた。
「どうしたの?」
ジェームズが優しく聞いた。
セブルスは何も言わずにジェームズの眼鏡を外した。
ジェームズは一瞬驚いたが、その表情は愛しさに溢れていた。
セブルスが頬に手を当て、確かめるように頬をなぞり、閉じたジェームズの瞼を辿り、唇に触れた。
目が合い、ジェームズが口を開きかけた。
「セブルス…」
「好きだ」
セブルスが先に言った。
ジェームズは驚いて固まった。
その表情を満足げに見上げながらセブルスが微笑む。
先を越されたジェームズがはにかんでくすりと笑った。
「僕もだよ、セブルス。君が好きだ…」
ジェームズはゆっくりと身体を曲げ、セブルスに口付けた。
「愛してる…」
どちらが言ったか分からない吐息が重なった。
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