One Love 鹿猫
…眠い…。
朝の光が差し込み、眩しく明るい食堂で軽いめまいを覚えながら、セブルスは朝食をつついていた。
寝不足のためか、味がしない。ぼんやり口に運んでいると、自分を呼ぶ馬鹿明るい声がした。
「セ~ブ~ル~ス!」
ジェームズがにこにこしながら目の前に座っていた。
「………」
セブルスは無言でジェームズを睨みつけた。
「おはよう!ご機嫌いかが?」
ジェームズはにっこり笑って首を傾げた。
セブルスはスプーンを持ったまま、口元をピクピクさせて眉間に皺を寄せた。
「貴様のおかげで最高にいい気分だ。今ならためらいなく貴様を殺せる」
一息で言った後、くらくらとめまいがしてため息をついた。
ジェームズは楽しそうにその様子を観察していた。
何度もあくびをかみ殺し、セブルスは授業のノートを取り、机に足をぶつけながらレポートを提出した。
手のひらに妙に熱がこもり、気持ちが悪い。今すぐその石畳に横になっても良いというのなら、そのまま倒れて眠りたいとセブルスは思った。
半日の授業を終え、半ば眠りながら昼食を食べ終えた。
寮へ戻って寝ようと思ったが、そこまでもちそうにない。
足元がフワフワする。
賑やかな人波から逃れると、いつも本を読んでいる木陰に座り込んだ。
やわらかな草と、風が心地よかった。
「セブルス~!!」
どこからかジェームズの声が聞こえた。
閉じかけた瞼が開く。
「上!上~~!!」
今度ははっきりと声がした。
セブルスはうっとおしそうに上を見上げた。
すると、もたれていた木からバキバキ…バサバサバサという音を立てて、ジェームズが落ちてくるところだった。