Melty Xmas 鹿猫
セブルスはプレゼントを考える上に、サンタ服まで着るという面倒が増えたことに溜息をつきつつも、どこか安心したようにジェームズを見た。
「そうか…悪いな…じゃあ、貸してもらおう…」
セブルスの言葉に、ジェームズは口元を押さえた。
「ちょっとごめん、セブ」
顔を背け後ろを向いた。
隣の机に座っていた生徒たちは、振り向いたジェームズの恐ろしいほどにやけた顔を目の当たりにし、恐怖に後退りした。
「どうした?」
セブルスの声に慌てて鞄を開け、中身を調べる仕草をする。
「いや、サイズとか合うかなって思って…うん、どうやら君にぴったりみたいだ」
当たり前である。
「セブ!今日は午後、授業なかったじゃない?着ようよ!そして任務実行だ!」
「…任務?というよりなぜ今日なんだ?」
「明日はみんないなくなっちゃうじゃないか。この儀式はさ、単に服を着りゃあいいってもんじゃない。それじゃあマグルの服を着て魔法を使うようなものだよ。マグルの服を着たら、電車に乗る。サンタの服を着たら、プレゼントを配らなきゃ!」
「そこまでするのか!?」
「え?そうだよ?」
ジェームズは至極当然の顔をする。
「そうか…」
セブルスはうなだれた。
「大丈夫!プレゼントっていっても、箱に入ったマシュマロだ。僕が用意したのを持たせてあげるからさ!」
バレないようにすることに長けていても、その後のことを全く考えていないジェームズの作戦は、ひとまず成功した。
二人は必要の部屋で着替えた。
「ジェームズ…これ、本当にお前が着ようとしていたのか…?」
後ろを向いて待っているジェームズに、セブルスが話し掛ける。
セブルスは赤いサンタ服を広げて、しげしげと見つめていた。
「こんなに…これ、短いぞ…」
ショートパンツをはきながら、セブルスがブツブツ言う。
丈は股ギリギリ、内腿と外腿をファーがくすぐった。