Melty Xmas 鹿猫
ジェームズは全く耳に入らないらしく、手招きし、隣に座るよう促した。そして開いたページを見せた。
「いいんじゃない?」
リーマスは数々のサンタ服にセブルスの姿を重ね合わせた。
「で?どれにするの?」
食い入るように眺めながら、ジェームズの顔を見上げる。目が異様に輝いている。
「君ってたまにこわいよね…」
ジェームズは呟いた。そしてすぐに気を取り直し、指差した。
「これにしようと思うんだ」
「え?僕はこっちのロング丈、女王様風の方が似合うと思うけど…」
「フッ…君は知らないんだ彼の足の美しさを」
そう言うと、ジェームズはうっとりと遠くを見つめた。
ジェームズは常々思っていた。
セブルスの裸体を組み敷く時、白い肌に爪先まで口付ける時、眠る時、自分の片足をセブルスの足の間に割り込ませて抱き合う時、セブルスの奇跡的なまでに美しい骨格の良さを。
それはセブルス自身も気が付いていない特徴だった。
真直ぐな足、細いがその白い太股は決して貧相ではなく、むしろ骨を柔らかく包み張りつめている。
ひとひらの贅肉もない体なのに、しなやかで軟らかい。体のことだけを言及するなら、抱くたびに虜になる肢体だった。
「ジェームズ」
リーマスが現実に引き戻した。
「でも、セブルスがそれを着るとは思えないんだけど…」
ジェームズは不敵な笑みを浮かべた。
「僕に不可能という文字はない!楽しみにしててよ、今年のクリスマスは最高の一日になるはずだ」