Melty Xmas 鹿猫
「セブルス…!」
左手を両手で包むと、うつむく顔をうかがった。
セブルスが小さく頷く。
「本当に!?」
今度は包み込まれた左手がその手を握った。
ジェームズはセブルスを力いっぱい抱き締めた。
「どうしよう!!すごく嬉しい!!」
柔らかな髪に顔を埋め、ジェームズは「ありがとう」と何度も囁きながら、大切そうにセブルスの体を抱いていた。
虹色の星があたたかく光る。
木箱をセブルスの手から受け取ると、ジェームズは星と同じ虹色に光る小さな石が填められたリングを取り出した。体を屈め、左手の甲に口付け、そして薬指に口付ける。
セブルスが赤面しているのが分かり、微笑みながらその額にも口付けを落とすと、ゆっくりと繊細そうな指に光る輪をかけた。
「これから忙しくなるね」
顔を合わせ、唇を重ねた後、ジェームズが明るく言った。
「?」
「君のご両親に挨拶に行かなくちゃ!」
セブルスはその言葉を聞いて、初めて事の重大さに気が付いた。
「…ちょっと待て…僕の両親に…?」
「そうだよ?だって僕たちは婚約したんだから。きちんと君のお父さんとお母さんに報告して、君をもらわないと…」
セブルスの表情が凍り付いた。
「あの父にもか…?」
ジェームズはにやりと笑った。
「もちろん!夏休み以来の再会になるかな?楽しみだ。今度は何を振り回すのかな?」
くすくす笑うジェームズをよそに、セブルスはこの世が終わったような顔で天を見上げた。
end
杏奈様に捧げます
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