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咳をしても二人 鹿猫


セブルスは体を少しずらし、ジェームズより高い位置に横になると、四方に跳ねた髪を一度撫で、頭を胸に抱いた。

熱い体温が溶け合う。

「痛いところはあるか?」

セブルスがジェームズの額に浮かぶ汗をシャツの袖で拭う。

「ううん…」

体を丸め、セブルスの肩口に額を寄せて頭を振った。

「セブ…セブは…?風邪は…?」

うわごとのようにセブルスを気にしている。

「しつこい。僕が共倒れするわけないだろう。それをお前が一番嫌がっていることぐらい分かっている…寝ろ」

ジェームズが目を上げた。その目がまるで子供のようだった。

セブルスは思わず微笑んだ。

「風邪じゃなかったら…」

ジェームズはその顔を見て、夢見心地で眠りに落ちた。






end.
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