咳をしても二人 鹿猫
セブルスは体を少しずらし、ジェームズより高い位置に横になると、四方に跳ねた髪を一度撫で、頭を胸に抱いた。
熱い体温が溶け合う。
「痛いところはあるか?」
セブルスがジェームズの額に浮かぶ汗をシャツの袖で拭う。
「ううん…」
体を丸め、セブルスの肩口に額を寄せて頭を振った。
「セブ…セブは…?風邪は…?」
うわごとのようにセブルスを気にしている。
「しつこい。僕が共倒れするわけないだろう。それをお前が一番嫌がっていることぐらい分かっている…寝ろ」
ジェームズが目を上げた。その目がまるで子供のようだった。
セブルスは思わず微笑んだ。
「風邪じゃなかったら…」
ジェームズはその顔を見て、夢見心地で眠りに落ちた。
end.
2/2ページ