トリックスター 鹿猫
「顔色はいいな、よかった」
セブルスは目を細め、ふわりと微笑んだ。
「いつも心配しているんだ、今日は体調は?」
ふいに顔を近付けられ、リーマスはどぎまぎし、セブルスの言葉に目がうるうるした。
「す、すばらしいです」
訳の分からない答えになった。
セブルスがくすくす笑う。
リーマスはその愛らしさにめまいがした。
リーマスもれっきとした男の子である。
「あ、あのセブルス…」
「なんだ?」
「すいません!」
リーマスはそう言うなりセブルスを抱き締めた。
「なんだなんだ?」
セブルスは驚きながらも、リーマスの頭を撫で撫でした。
ジェームズがにやにや笑っている。
ようやく落ち着いた頃、今度はシリウスが入ってきた。
シリウスの目に、眩しいほどの笑顔を振りまいているセブルスが飛び込んできた。ジェームズとリーマスを相手に楽しそうに笑っている。
「ぎゃあああ!!なんでボガートがここにいるんだー!!!」
シリウスが絶叫した。
「ブラック!何を騒いでいるんだ?」
セブルスが笑いかける。
「そんなに頭を掻きむしるな。いい男が台無しだぞ。まあ、お前はどんなことをしていても様になるがな」
シリウスが倒れた。
リーマスの後ろに気を持ち直したシリウスがいた。
椅子をぴったり寄せ、リーマスを背後から抱き締めながら、セブルスを恐る恐る眺めている。セブルスが動くたびに、リーマスを盾に体を強ばらせた。
「シリウスいい加減慣れなよ~」
リーマスが呆れたように首を曲げてシリウスを見上げた。シリウスはセブルスから目を離さずに首を振った。
「いいい嫌だ…お前はよく平気だな」
「僕は君より抑制能力に優れているからね」
リーマスはすまし顔で答えた。
「ブラックは何を怯えているんだ?」
セブルスがジェームズの隣で首を傾げた。
「君があんまり美しいから、彼には刺激が強すぎるのさ」
ジェームズの言葉にセブルスは頬を染めた。
「お前だって魅力的だぞジェームズ」
「あああセブルスぅ~!!」
ジェームズがセブルスを抱き締めた。