我が輩は猫である! 全員
☆おまけ☆
ジェームズはやわらかな黒髪に顔を埋め、抱き慣れた体に腕を回しながら夢見心地でいた。
早朝の部屋は静まり返っている。
「ん…」
ジェームズはぼんやりしながら、愛しそうにセブルスを抱き締めた。そのまま手でシャツをたくしあげ、じかに肌に触れる。
「いい加減目を覚ませポッター」
「ん!?」
ジェームズは一気に覚醒すると、わずかに顔を赤くして自分を睨み付けているセブルスを見つけた。
「セブ!?」
ジェームズは思わず大声を出しそうになり、慌てて口元を押さえた。
「そうだ、分かったら手を離せ」
「なんでいるの?」
「まあ、いろいろとな…」
「うん分かった!」
ジェームズはそう言うなり、ベッドを抜け出そうとした手を掴んで引っ張り、細い身体を組み敷いた。
「違うだろうッ…」
セブルスが必死にもがく。
ジェームズは毛布を被り、楽しげに耳元に口付けを落としながら、セブルスの耳元に囁いた。
「みんな起きちゃうよ」
セブルスは口を開きかけたが、熱っぽく唇を重ねられ四方に跳ねた髪を掴むのがやっとだった。
「…ッジェ、ムズ!」
「だから、声出しちゃダメだって」
ジェームズの唇が白い首筋に触れる。その時、赤いリボンが目に入った。
「わあああ!セブルス!!」
ジェームズが叫んだ。
「貴様が声を出してどうする」
「だってそれ!あの猫に付いてたやつ!」
セブルスははっとして首に手をやり、しまったという顔をした。
「セブ…あの黒猫は君だったの!?」
「…ああそうだッ!僕もアニメーガスに挑戦したんだ!」
セブルスは観念したように大声で言った。
ジェームズは抱くことをすっかり忘れ、嬉しそうに声を上げた。
「すごいよ!セブルス!!」
二人のやりとりにシリウスが目を覚まし、カーテンを開けた。
リーマスはすでに楽しそうに二人を見ている。
セブルスの姿を見つけたシリウスがぼんやりと呟く。
「あれ…?なんで俺スリザリン寮にいるんだ…?まさか夢遊病になっちまったのか?」
「目を覚ませ!」
リーマスが惚けているシリウスの横顔をビンタした。