我が輩は猫である! 全員
「ねえ、ピーター、僕の引き出しにチョコレートボックスにかかってるリボンが入っているんだけど、取りに行ってくれないかな?」
リーマスは、猫をしっかりと押さえながらピーターに微笑んだ。
「うん、いいよ~」
暇を持て余していたピーターが部屋へ戻り、すぐに赤いリボンを手に歩いてきた。
「これ?リーマス?」
「そうそう、ありがと」
リーマスはリボンを受け取った。
「にゃ!?」
セブルスは赤いリボンを目の前でひらひらされ、身構えた。
ー待てルーピン!
「首に付けてあげよう♪」
ー待て待て、それで何かのはずみで人間に戻ったら死ぬ!
「あ、そうだ」
リーマスは杖を取り出し、赤いリボンに呪文をかけてから、首にくくり付けた。
「何したの?」
ジェームズが椅子にかけられていたローブを取って立ち上がり、それを羽織りながらリーマスに聞いた。
「うん、太っちゃうと苦しいんじゃないかと思って」
ジェームズは笑った。
「リーマス、君と同じ食事を与えるとそうなっちゃうだろうね」
ジェームズはそう言うと猫の頭を撫で、目を覗き込んだ。そのままじっと見つめる。
「どっかで見かけたのかな…なんか知ってる気がする…」
ーポッター!僕だ、気付かなくてもいいから、ここから出せ!
「にゃ!」
「ん~?」
ジェームズが顔を近付ける。
「にゃ…ッ!?」
ジェームズは思わず黒猫にキスをしていた。
「おいおいジェームズ」
シリウスが呆れてジェームズを見た。
「そうだ!」
シリウスは急に思い出したように、リーマスの膝にいるセブルスの尻尾を掴んだ。
「に゙ゃ!!」
セブルスがびくりと背中の毛を逆立てた。
シリウスはひょいと尻尾を持ち上げた。
「お!オスだ!」
ーぶッ無礼者ー!!!
「あだだだだ!!!」
セブルスはシリウスの顔に思い切り爪を立てた。
ーくそう!もう怒ったぞ!
シリウスをバリバリ引っ掻きながら、ジェームズにも猫パンチを食らわせ、その頬に見事な四本の赤い線を刻んだ。