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我が輩は猫である! 全員

我輩は猫である。名前はいらない。
どこで生れたか見当はついている。何でも薄暗いじめじめした魔法薬学教室でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。


「ジジ!」

リーマスがスマートな黒猫を抱き締めている。

「リーマス…どうしたの?その猫」

ジェームズはリーマスの腕から必死に逃れようとしている黒猫の顔を覗き込んだ。

「あ、おとなしくなった」

「へえ、この猫見事なグリーンアイだ」

「見て!尻尾もまっすぐなんだ!魔法薬学教室で拾ったんだよ♪」

二人のやりとりをそばで聞いていたシリウスが口を挟んだ。

「リーマス、それは拉致ったと言うんだ」

黒猫は顔を近付けたシリウスに毛を逆立て、威嚇した。

「可愛くねえな!」

「犬臭いんだよきっと」

「なんだと!」

「さあ、ジジ行こう?」

唸るシリウスからさっさと逃げるように、リーマスは寮へ戻った。

「飼うつもりなのかな?」
ピーターがウキウキと歩き去る後ろ姿を見つめながら呟いた。

「別に飼ってもいいけど、気になるな…」

珍しくジェームズが真剣な顔をした。

「何が?」

「リーマスのネーミングセンスだ。どう思う?」

シリウスがポツリと呟いた。

「なあ、ジェームズ、俺って犬臭いか…?」

まるで噛み合っていない。

ピーターはそっとため息をついた。



「ニャ!」

ーやはりこれしか出ないか…これはどうだろう

「ニャー!」

ー変わらないな…

「ジジ、お腹すいたの?」

ー違う!ジジではない!そもそも僕はセブルス・スネイプだ!

「やっぱりお腹すいたんだね、睨まないでよ、あとで君のご飯を持ってきてあげるから」

ー出せ!ここから出せ!

「ニャッ!ニャッ!」

「トイレ?」

ー違~う!くそ!なんて不便なんだ動物は!

「あんまり悪戯すると食べちゃうからね!」

「!!」

ーすいません。

「ん!いい子だ♪」

ーポッター助けてくれ!

リーマスはベッドに黒猫を落ち着かせると、にっこり笑って投げキッスを送ってよこした。
黒猫はベッド脇の壁を思い切り両前脚で引っ掻いた。
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