リディクラス⁉ 全員
「素敵ね!」
ハーマイオニーがにこにこしながら言った。
「君は茶色のフサフサ系が好きみたいだね。クルックシャンクスもそうだぜ」
ロンが皮肉っぽく言った。
「あれはピーター・ペティグリューじゃない?」
ロンを無視しながら指差した。
一番小柄で少し丸っこい少年が、リーマスの後ろからクローゼットをおそるおそる見ていた。
「あのネズミ~」
狡猾な表情はないにしろ、ペティグリューというだけでロンは顔をしかめた。
「では肝試ししま~す!」
ジェームズが明るく言った。
セブルスは腕を組んで仁王立ちしている。
「セブ、君は僕の隣に」
ジェームズはセブルスの腰を抱いて耳に口付けた。
その様子を眺めていたロンが呟いた。
「どうなってんだ?あの二人、仲悪いはずじゃないのか?」
「むしろ恋人同士だわ」
冷静な声でハーマイオニーが二人を見つめた。
「そりゃあ、あのスネイプはそのへんの女の子よりきれいだけどさ…」
ロンはそこまで言って慌てて付け加えた「スリザリンの女子よりは」
ハーマイオニーがジロリとロンを睨んだ。
「寮は関係ないわ!でもロンの言うとおり、スネイプ先生ってきれいな顔をしていたのね」
そう言うとハリーの顔を見た。
「やっぱりジェームズとスネイプ先生は恋人同士よ。同じDNAのこの顔を見れば分かるわ」
ハリーはようやく正気に戻り、二人の顔を見た。
「何の話?」
ロンとハーマイオニーがハリーを呆れて見ている中、ジェームズとシリウスに押されてピーターがクローゼットの前に立たされた。
「ピーターいい?リディクラスだよ!」
リーマスが近くの机に腰掛けて声援を送っている。
ピーターは扉から目を離さず、リーマスの声に頷いた。
ジェームズが楽しそうに扉の把手を回し、押せば開くようにした。
勢いよく扉が開き、炎を吹きながらドラゴンが出てきた。
天井に頭をこすり付けるようにピーターを赤い目で睨んでいる。
ピーターはガタガタ震えながら杖を掲げた。
「リ、リディクラ…ひゃあ!!」
ドラゴンが尻尾を振った瞬間つまずき、尻もちをついた。
「がんばれ~」
リーマスが応援する。
シリウスは大笑いしていた。
ピーターは目を閉じて叫んだ。
「リディクラス!!」
ドラゴンがクローゼットに消えた。