僕らの王様ゲーム戦争 鹿猫、犬狼
リーマスが立ち上がった。
シリウスはチョコレートの端をかじると、リーマスの顎を持ち上げた。
リーマスが一口、口に含んだ。シリウスは驚くような早さで食べ進めた。
「ん~~!!!」
大好きなチョコレートを半分以上食べられ、リーマスは目を見開いてシリウスを睨んだ。
シリウスは構わず食べ進めるとリーマスの唇に触れた。
柔らかな感触にリーマスがびくりと肩を震わせ、思わず目を閉じた。
触れた唇を離すことなく、シリウスは角度を変え、リーマスの唇を開かせると、舌を滑り込ませた。
「…んッ…」
リーマスの頬が赤く染まった。
シリウスはくいと顎を高めに持ち上げると、口に含んでいたチョコレートをゆっくり流し込んだ。
甘いチョコレートが口中に広がり喉を通る。
「…ん…」
リーマスは無意識にシリウスの胸に手を置いて、貪るようにシリウスの舌を絡めた。シリウスはリーマスの後頭部に手を回すと、口付けを深めた。
息が続かなくなり、シリウスの胸に当てられたリーマスの手が、ぎゅっと縮んだ。シリウスはそれを合図にもう一度角度を変えて口付けるとようやくリーマスを解放した。
「…ぷはッ」
リーマスが切なそうに眉根を寄せてシリウスを見上げた。
「…美味かったな」
シリウスは口端に付いたチョコレートを親指で拭いながらウインクした。
「……バカ」
リーマスは真っ赤になりながら呟いた。
「次ィィィィ!!!」
ジェームズが叫んだ。
「王様だあれだ」
「やったあああ!!僕だ!!」
ジェームズが叫んだ。
「よし!!ここでルール変更!指名制にする!!」
「きたねーぞジェームズ!!」
シリウスが抗議した。
ジェームズはシリウスがうっかり傾けたカードの数字〈2〉を盗み見た。
「そうだね…じゃあ、数字でいくよ。2番!!僕とディープキス!!!」
「指名制度賛成だ!ジェームズ!!」
シリウスが叫んだ。
ジェームズはにんまり笑って、満足そうに胸を張った。
「セブルス・スネイプ、カモ~ン!」
「隣にいる」
セブルスが嫌そうに声を出した。
ジェームズはセブルスを抱き締めた。セブルスが必死でもがく。
「セブルス・スネイプ、君は今晩僕と寝るんだ。しかも明日のデート付き!」
「断る!!」
セブルスが大声を出した。