僕らの王様ゲーム戦争 鹿猫、犬狼
「王様だあれだ?」
「あ、僕だ」
セブルスが無表情で言った。
ジェームズ以外のメンバーがまた身構えた。
「う~ん、そうだな…」
セブルスが口元に手を当てて考え込んだ。
ジェームズがしきりに指を四本開いてアピールしている。
セブルスはふと、普段言いたくても言えないジェームズへのわがままを言いたくなった。
一瞬ジェームズの目を見た。しかし、すぐに目を逸らして言った。
「4番と2番、1回ずつ頬を張れ!」
「ええ!!??」
ジェームズとシリウスが叫んだ。
セブルスはため息をついた。
ジェームズがシリウスをビンタした。
「痛ってえ~!お前手加減しなかっただろ!!」
シリウスが涙目でジェームズを見た。
すぐにシリウスがジェームズの頬を打った。
「痛った~!!セブルスにしか叩かれたことなかったのに~」
それを聞いてリーマスがセブルスを見た。
「何されてビンタしたの??」
セブルスは顔を赤くした。
「聞くな馬鹿者」
「王様だあれだ?」
「また俺だ!!」
シリウスが立ち上がった。すかさずリーマスを見る。
リーマスは身構えた。シリウスはリーマスを穴が開くほど見つめている。
リーマスが根負けして、恐る恐る人差し指を立てた。
「1番!!これを着ろ!!」
シリウスがセーラー服を出した。
リーマスが目を潤ませてシリウスを見上げた。
「ひどいやシリウス!みんなの前で僕にこんな破廉恥なものを着ろと言うんだね。いじめだ!僕はシリウスだけのものなのに…みんなの前でこれを着るなんて…みんなの目に晒すなんて…」
目を潤ませているにもかかわらず、明瞭に話す。そして、首を傾げてシリウスを見上げた。シリウスがうっと詰まった。
「分かったよ!リーマス!じゃあ後で着ろ!」
「え!?着るの??」
リーマスが急に真顔になった。
「当たり前だ。それから今ここでチョコレートゲームをすること!」
シリウスがニヤリと笑って、瓶からチョコレートを取り出した。
ジェームズがひやかしの口笛と拍手を送った。