拍手御礼集
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「ハリー・ポッター」
抑揚のない声が教室に響いた。
ネビルが飛び上がった。
ロンが笑ってネビルの肩を叩いた。
「君じゃないよ」
ハリーが立ち上がった。
「はい…先生」
「前回のレポートはひどかった。スリザリンはともかく、グリフィンドールは全員が低レベルだった。中でもポッター、君には失笑させられる。後で来たまえ。レポートを返そう」
グリフィンドール生がスネイプを睨み付けた。
ドラコ・マルフォイがわざとクスクス笑っている。
スネイプは無表情のまま教室を後にした。
「ママ~ン!!」
ハリーは誰もいない部屋に入り、ドアを閉めると、スネイプに抱きついた。
「先生と呼べ!ハリー」
「はい!セブルスママ」
セブルスは溜め息をついた。
「今日は何の用事ですか?」
ハリーがそわそわと嬉しそうに椅子に座った。
用意された丸テーブルは片付けられている。
セブルスは素っ気なく杖を振った。
丸テーブルにグラスとシャンパン、小さなケーキが現れた。
「ハリー、今日はお前の父、ジェームズの誕生日だ」
「え!?」
ハリーは弾かれたように顔を上げた。
セブルスは真直ぐな緑の瞳から目を逸らした。
「お前は…聞かされていなかっただろうからな…今日はジェームズの誕生日だ…知っておくといい…」
ハリーはセブルスの顔をじっと見上げた。
青白い顔に心持ち朱が差している。
その表情を見て、目を逸らすのは照れているときか、動揺しているときの癖なのだと気が付いた。
「お祝いですね?ママ…」
ハリーはにっこり笑った。
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