拍手御礼集

☆犬狼☆

「シリウス、最近は男性側からチョコレートをあげるらしいよ?もともとはどちらからなんて決まりはなかったんだけどね」

「はあ?なんで男から贈んなきゃならないんだ?あれは貰うもんだろ?」

「シリウス…君のためにいうけど、バレンタインに向けて君の暗殺計画が持ち上がってるんだよ?」

シリウスは首を傾げた。
リーマスがため息をついてその場を去ろうとしたが、不意に腕を捕まれた。

整った顔に、ひどく様になる長めの前髪からブルーがかった灰色の目がリーマスを見上げている。

「俺はお前から欲しい」

シリウスの眼差しにリーマスはめまいを抑えて言った。

「お返しは?」

「そうだな、お前にチョコレート一年分」

リーマスは瞳を輝かせてシリウスに抱きついた。

「あのな…リーマス。お前本当に俺が好きなのかよ?」呆れてため息をついた。

「好きだよ。君はかっこいいし、……かっこいいし……」

「それだけかよ!」




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ホワイトデー編


「リーマス!」

シリウスは大声で恋人の名を呼んだ。

リーマスが驚いて、階段の手摺りから階下を見下ろした。

シリウスが微笑みながら大きく手を振り、招いている。

「来いよ!!」

リーマスが駆け下りる。

シリウスは両腕を伸ばした。

「跳べ!!」

「シリウス!」

リーマスは笑いながら、その力強い腕に飛び込んだ。

笑い声が重なる。

「みんなへのお返しは?」

「フクロウに任せた!」

シリウスはリーマスを抱いたまま一回転した。

「モテる男は大変だね」

「俺はお前にモテればそれでいい」

リーマスは恥ずかしそうに俯き、笑った。

シリウスがリーマスのローブの内側に腕を差し入れ、腰を抱いた。


「行こう!ホグズミートへ!持てるだけチョコレートを買いに!」
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