拍手御礼集
「君と僕」
ねえ…これは?
赤だ
これは?
緑だ
ジェームズはセブルスと森を歩いた。
木漏れ日が落ちている。
これは?
ジェームズがシダを指差す。
緑だ
歩きながらそんなやりとりを続けている。
ねえ、あれは?
青だ
ジェームズ…?
うん
なぜ泣いている…?
うん
ジェームズ…?
うん
ジェームズはセブルスを抱き締めた
ジェームズ、これは?
黄色だ
これは?
茶色
セブルスは杖を出すと虹色の小鳥を何羽もはばたかせた。
ジェームズ…?
赤
そうだ…橙…
黄色
黄緑
緑
青
紫
水色も
濃い青も
小鳥が肩に止まり、ジェームズは涙に濡れた瞳を細めた。
いっぱいだ
ああ…
いっぱいだねセブルス…
ああ…
ジェームズの目から再び涙が零れた。
セブルスはジェームズの手を引き、歩き続けた。