拍手御礼集

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「…ハリー」

セブルスの手がハリーの背中に伸びた。

「ママ・セブ」

懲りずにママと呼ぶハリーに、セブルスは頬を緩め大きく息を吐いた。
体を離し、翡翠色の瞳を見た。

ハリーが恥ずかしそうに笑い、袖でセブルスの涙を拭いた。

「ハンカチはないのか?」

セブルスが笑う。

「ハーマイオニーにいつも注意されます」

セブルスはポケットから白布を出すと、ハリーに手渡した。

「持っていろ」

「すいません…ママの誕生日なのに先にプレゼントをもらうなんて」

ハリーが慌てながらも大切そうに両手で包んだ。

「もう、先にもらっている」

セブルスがハリーの頭を撫でた。

また、こんな日がくるなんて思わなかった。

「ありがとう…」

セブルスはハリーに囁き、立ち上がった。


扉の前で二人は並んだ。
あたたかな、皆が待つ部屋へ…。


しかし、二人はまだ知らない。
部屋の向こうはすでに誕生日そっちのけで、ばか騒ぎになっていることを。

ハッピー・バースデー!
セブルス・スネイプ!
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