第二章 高専入学
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よろしくおねがいしまっす!!
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師範からの最後の課題も達成し、めでたく高専入学!
「うわぁ~ん」
の筈なのですが………
「師範!早く行かないと私、入学初日から遅刻になっちゃいます!!」
腰に巻き付いている師範の腕を引っ張りながら、必死に説得する。
今、起きている状況を簡単に説明すると、
今日は高専への入学初日。
師範と一緒に高専へ向かおうとして玄関で靴を履き替えた瞬間
「やっぱり、行かせたくないよぉ~!」と子供の様に駄々をこねた師範がいきなり抱き付いてきて、全くそこを動く気がなく、
私が仕方なく腰に師範を巻き付けながら歩こうとすると、師範は意地でも行かせたくないらしく、
手はちゃんと抱き付いたまま下半身は引きずる様にくっついてきた。
成人男性一人の体重は流石に重く、歩いて約1kmの所で体力の限界が来て息切れが酷い。しかも、通りすがりの人には驚いた様に二度見された。
「師範!時間が!あと15分しかありません!
まだまだなんですよ高専まで!!遅刻しちゃいますよ!!」
「いいもん!」
「だめですよ!!」
そんなことを言い合っている間、勿論時間が待ってくれる訳でもなく虚しく過ぎていく…
私は最終手段に出ることにした。
「師範!師範!」
「…ん?」
心の中でどや顔しながら師範に向き合った。
私だって師範とは長年の付き合いだ。弱点位知っている。
「今日、もし遅刻して遅れてしまった場合。
師範の責任ということで私一生師範の家に行きませんよ!」
「えっ!?」
「そうすれば師範。ちゃんとした料理食べれませんよね!?
健康も取れなくなって栄養失調になっちゃいますよ!それでもいいんですか!?」
そう、師範の弱点。それは驚くほど全く家事が出来ない事。
洗濯機を回せば何故か洗剤が溢れだし、
掃除機をかければありとあらゆる物を吸い込み、
アイロンをかければ衣類がこげる
お皿洗いをすればキッチンに洗剤の泡が溢れ出すことは勿論。全てのお皿が割れる。
料理をすればフライパンごと燃える。
危うく大火事になってしまうところだった。
だから家の家事は私が全てやっていた。
この家に住まわせてもらっている代わりにと思って、今まで全て行ってきたが、高専に入学すれば家には師範が一人。
お手伝いさんを雇うと言っていたが師範のあの性格じゃ多分雇っていない。
だから、1ヶ月に、一回は必ず顔を出そうそうと思っていた。
しかし、私が来なくなってしまえば、日頃の衣食住が全く成り立っていない生活リズムを送ってしまうことになるのだ!
これは師範も避けたい筈!
「あぁっ!駄目っ!アリアが来ないのは駄目っ!
分かった!ちゃんと送るから!
だからぜっっっっっったい来てね!来なかったら泣く!泣いちゃうからね僕!!」
そう言った師範は瞬きする間に立ち上がり、私の手をおもいっきり引っ張り物凄いスピードで走り出した。
立場逆転。今度は私が引きずられる番だった。
すると師範が急に止まり、「え、何?」と思いながら顔を上げると目の前には沢山の木に覆われた木造の大きな建物。
あ、ここが。
そう思って足の力だけて立ち上がった
この前、師範に写真を見せてもらった。
"呪術高専"
小さい頃から目標にしていてずっと憧れていた場所。
ん?あれ?さっきの場所からここまでかなり距離があったんだけどなぁ……1分も経ってない気がする。
「よっし、行こっかアリア」
さっきとは打って変わって行く気満々の師範の後ろに続いて中に入る。
さっきの言葉が効いたんだろうなぁ…
校内は至って普通。すこし違うのは高専の周りに結界が張ってある事位かな?
そんなことを考えながら師範の後ろについて行きながら周りを見渡す。
すると師範がある一角の部屋の前で足を止めた。
それにつられて私も足を止める
そして師範が扉を開け、後ろから中を覗くと医務室の様な所だった。消毒液のツーンとした匂いがする。
「さっ、アリア」
師範が右側に寄って先に入るよう促して来たのでその部屋に足を踏み入れる
あれっ?人がいる……?
師範と違う匂いがして辺りを見る
高専は沢山の人の匂いがする。それに、至るところから聞こえてくる沢山の音。
今は少しキツイけど慣れれば大丈夫と自分に言い聞かせた。
「あれ?君が……?」
そう言ってカーテンの向こうから歩いてきたのは目のクマがすごい、白衣を着た美人な方。
「お、久しぶりじゃん。神崎」
「ご無沙汰です~家入さ~ん」
ふむ、どうやらこの方は家入さんと言うらしい。
そして私に目をやる
「お、その子がお前がいっつも話す自惚れ話に出てくる弟子か」
「え~自惚れ話なんて酷いな~」
「事実だろ」
こんな風に話してるってことは師範とかなり交流があるんだ。
すると家入さんが私に目だけを向けて
「制服だよな?」
と師範に問いを投げる
「うんそう~アリアってかなりおっちょこちょいだから
この前、服着ようとして裏表逆だったし、前と後ろも反対だった」
ぐっ……今、言わなくてもいいじゃないですか!
「おっちょこちょいはお前も人の事言えないけどな」
「え、何で!?」
戸惑う師範を置いて家入さんは話し出す
「とりあいず制服はちゃんと届いてるから、着替えるのは手伝う
だから、出てけ」
「え、僕ここに居ちゃ駄目?
愛弟子であるアリア制服姿見て拝んでおきたいんだけど。あと写真」
師範がポケットからスマホを取り出す
「駄目に決まってんだろ、何女子の着替え見ようとしてんだよ、出てけ」
そう言って家入さんは師範の背中をグイグイ押して、廊下に出すとバタンと扉を閉めた。
するとこちらをクルリと振り返り
「今日が高専入学初日なんだろ?
お前の師匠に頼まれて制服の気付けを頼まれた。"家入硝子"だ宜しく
お前は、アリアで合ってるよな?」
「あ、はいそうです!
宜しくお願いします!家入さん!」
そう言うと家入さんはにっこり笑って
「硝子でいいよ」
「はい!硝子さん!」
満面の笑みで答えた私を見ると硝子さんが呆れ半分で
「弟子の方が師匠よりしっかりしてるってどうなんだ」
その呟きに私は苦笑いしかできなかった
「まぁ、いい。
この前アリアの制服が届いたんだ。」
すると、硝子さんは、机の上に置いてあった段ボール箱の蓋を開け、中から袋を出した。
「これがアリアの制服。あまり時間がない。急いで着替えるぞ」
「あっはい!」
そう言って次々に袋の中の制服を取り出していく。
「まず中にシャツを着る。その上に学ランな」
「了解です!」
そう言って上の服を脱いでシャツを着ようとするけど
「…アリア。それ裏表逆。ちなみにボタンもずれてる。」
「えっ!?」
上からボタン留めていっていた手を止め、
改めて今着ようとしている制服を見てみると、確かに表にタグが見える。
しかもボタンは一つずつずれている。
あっれ~……?おかしいなぁ……?
すると前で硝子さんのため息の音
「…師匠が師匠なら弟子も弟子だな」
ボソッと呟いた声にグサッと心にくるものがある
「とりあいずアリアは両手上げてろ。
私が制服を全部着せていくから」
「はい……」
あからさまその方が早いので大人しく両手を上げて硝子さんに制服を着せてもらっているのでした