6.行動
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「そうそう!桜さん怪盗キッドって知ってる?」
「え⋯怪盗キッド⋯?」
そろそろ夕日が沈もうとしている時間帯
蘭ちゃんと園子ちゃんそれからコナン君がポアロに来ていて
お客さんも蘭ちゃん達しかいなかったため梓ちゃんも一緒に談笑していると
園子ちゃんの一言で話題は怪盗キッドの話になった
「あ〜⋯そういえば1回テレビで見たことあるな〜」
テレビで怪盗キッド特集をしていた事を思い出しそう言えば園子ちゃんは顔を輝かせた
「じゃあ本物は見た事ないのねっ!」
「う⋯うん⋯いきなりどうしたの?」
「実は明日次郎吉おじ様が怪盗キッドに挑戦状を出すんだけど
キッド様に一目会いに一緒に行かない?」
「え?そうなんだ⋯」
うーん⋯夜のバイトの方は今お店の改装中で休みだし
快斗君には会ったけど怪盗キッドとしては会ったことないから⋯
1度生で見てみたいけど⋯どうしようかな⋯
悩んでいると不意に園子ちゃんから両手を掴まれ
「桜さん⋯お願い⋯」
「行きます!!」
上目遣いでお願いされちゃ行くしかないよね!!!
「⋯桜さんってほんと女の人に弱いよね⋯」
「そりゃ可愛い女の子は正義ですから!」
コナン君のジト目にそう返すと周りから苦笑いされた
「梓ちゃんも一緒に行かない?」
「うーん⋯ごめんね?明日はちょっと用事があるんだ」
「そっか〜⋯それは残念⋯」
梓ちゃんとプライベートで出掛けた事はまだ数回しかなかった為
一緒に行かないかと誘えば申し訳なさそうに断られた
「それじゃあ明日1度ポアロに集合してから錦座4丁目に行きましょ」
「⋯って訳なので明日私はいませんので⋯」
「そうですか⋯分かりました」
食事を済ませた後2人で食器を洗っている途中
明日の事を思い出し昴さんに報告すれば何故か昴さんの声がワントーン落ちたような気がした
「?昴さん?」
「どうしました?」
「いや⋯何も⋯」
気のせいかな⋯?
「⋯桜さんは怪盗キッドに興味があるんですか?」
「え?うーん⋯まぁ興味はありますね
生のマジックなんて見た事ないし⋯
「ホー⋯でも残念ですね⋯」
「え?」
「せっかく明日は桜さんに日頃の感謝を込めて
僕が腕によりをかけて夕食を作ろうと思っていたのですが⋯」
「ええっ!?」
思わぬ言葉に驚いて隣の昴さんを見れば困ったように眉根を寄せていた
「でも仕方ありませんね⋯1人で食べるしか⋯」
「え!?ちょ⋯あの⋯
そ、それって絶対明日じゃないと駄目ですか!?」
焦りながらそう言えば昴さんはクスリと笑って
いつの間にか食器を全部洗い終えていたのかタオルで手を拭くとその手を私の頭の上に置いた
「フッ⋯冗談だ、」
「·⋯へ?」
「まぁ日頃の感謝は本当なので近いうちに僕ができる範囲でご馳走しますよ」
「ぅ⋯」
⋯か、からかわれた⋯
昴さんはクスリと笑うと私の頭を数回撫でてキッチンを出ていった
「⋯むぅ⋯」
私がバーボンを飲んで記憶を飛ばした日から⋯
なんだか距離が近いというか⋯なんだろ⋯
昴さんはよくスキンシップをとってくるようになった
⋯私バーボン飲んだ後記憶が曖昧なんだけど⋯何かしたのかな⋯
昴さんに聞いても寝ただけですよって言うだけだし⋯
まあ引かれるよりかはいいんだけど⋯
ちなみに昴さんによりバーボンは許可がないと飲めなくなった
解せぬ⋯
それにしても⋯
「⋯昴さんのご馳走⋯」
⋯楽しみだな⋯
その日、怪盗キッドの事で半分
昴さんのご馳走の事で半分頭をしめながら
私は眠りについた
「凄い人集り⋯」
次の日皆と合流した後私達は錦座4丁目に来ていた
そこにはもう凄い人集りができていて
歩行者天国のど真ん中には台座があり、その上には宝石のついたミュール⋯
『紫紅の爪(パープル・ネイル)』
が展示されていて
警察官が数名、それを囲んで立っていた
「あれじゃーキッドに盗ってくれって言ってるようなモンじゃねぇか!」
「そうですよね〜⋯」
その様子を見た小五郎さんが呆れたように呟き
それに同調する
ちなみに小五郎さんとは沖野ヨーコちゃんファン同盟で
時々ライブ映像を見せてもらったり
1度だけ生ライブに連れて行ってもらった事がある
「大丈夫なの園子?」
「うん!私としてはキッド様が来てくれて一目会えたら、それでバッチOKよ!
まあ、次郎吉おじ様には何か考えがあるみたいだけどね!」
園子ちゃんの視線の先には髭の生えた威厳のありそうなおじ様⋯
次郎吉おじ様がいて、中森警部らしき人と話していた
「園子ちゃんキッドが本当に好きなんだね〜」
「そりゃあもちろん!あ〜早く桜さんにも見せたいわ〜」
怪盗キッドか⋯
何となく夜空を見上げ淡く光る月を見た瞬間
「あ⋯」
暗闇から白い物体⋯いや
怪盗キッドがハンググライダーに乗って現れた
途端に周りから歓声が溢れだし
皆の視線は空に集まる
「キッド様ァ〜!!!私はここよー!!!」
園子ちゃんはテンションが上がったのか私に抱きつきながらキッドに向かって手を勢い良く振っていた
「あれ?」
するとキッドの身体から煙が出てきて⋯
ボンッ!!!
そんな音と共にキッドは煙に包まれ見えなくなってしまった
「キ、キッド様は?」
「どこ?」
周りの人や園子ちゃんと蘭ちゃんが辺りを見渡している間
ふと中心の台座を見ると
ちょうどその瞬間にキッドが台座の上に現れた
「わぉ⋯」
白いスーツに白いシルクハット
そしてモノクルから覗く瞳が細められ
怪盗キッドは不敵に笑う
初めて生で見たけど⋯
か、かっこいい⋯
そりゃ園子ちゃんもはしゃぐわけですわ⋯
キッドが現れた途端中央に人が集まりキッドコールが始まり
テレビ局もキッドに向けてマイクを向けていた
「か、怪盗キッドさん!何か一言!」
「あ、では鈴木次郎吉相談役に伝えてください⋯
今回は寝耳に水な話⋯十分な時間が取れず⋯
予告状を出せなかった無礼をお許し頂きたい⋯とね」
キッドがそう言った瞬間
「え?」
「お、おい?」
「何よこれ!?」
地面から建物の上に向けて網が張り巡らされ
錦座4丁目の交差点は巨大な網で仕切られてしまった
「びっくりした⋯巨大な網なんてよく考えるな⋯」
これって一体どのくらいのお金がかかってるんだろ⋯
そんな事をぼんやりと考えていると
ミュールを手に入れたキッドがテレビ局の人達にこの後どうやって脱出するのか尋ねられていて
キッドは不敵に微笑んだ
「そりゃーまぁ⋯仕事が住んだので家に帰ろうと⋯」
「ど、どうやって!?」
「テレポーテーションで⋯」
「テレポーテーション!?」
テレビ局の人が驚きの声を上げたその瞬間、一瞬キッドと目が会い
その目が僅かに見開かれたように感じた
「⋯?」
けれど直ぐにキッドはテレビ局のカメラへと視線を戻した
⋯気のせいかな⋯?