49.面影
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「⋯ーという訳で⋯
私の記憶が無くなっていたのも
トロピカルランドで昴さん達が眠ってしまったのも⋯
全部、私を狙うクロウカードのせいだったんです」
「なるほど⋯クロウカード⋯ですか」
そう呟いて顎に手を当て考え込んだ昴さん
それを隣で見ていると
「よっしゃー!!俺のかちだ!!」
「ちょっと!今のはズルいですよ元太君!!」
「ああ〜もうちょっとだったのに〜っ」
子供達の元気な声にふと顔をそちらに向けると
元太君歩美ちゃん哀ちゃん光彦君の4人が横に並んで仲良くTVゲームをしていた
私は今、阿笠博士の家に居る
私の記憶喪失事件から3日が経ったある日
阿笠博士が発明品の発表の為3泊4日で県外に行くことになり
その間哀ちゃんが1人になる為今日から私が阿笠博士の家に泊まる事になった
そこで私の記憶が無くなっている間色々と励ましてくれた少年探偵団の皆を招き
お礼も兼ねてケーキを焼いた
皆美味しそうに食べてくれて
ティータイムの後は子供達はテレビゲームを始めて
私と昴さんはそれをカウンターに座って見ていて
そのついでにあの記憶喪失の出来事を昴さんに説明していた
コナン君は用事があるからってこれなかったけど⋯
コナン君は蘭ちゃん達にケーキを渡す時に一緒にあげようかな⋯
なんて考えていたら
「ちなみにそのクロウカードの気配は感じる事ができるのか⋯?」
昴さんにそう言われて
私はソッとコーヒーの入ったマグカップを手に取った
「⋯前まではクロウカードの気配を感じる事はできなかったんですけど⋯
私が記憶喪失になって⋯記憶を取り戻した後から⋯
クロウカードの気配を⋯確かに感じるんです」
「⋯その場所は?」
その昴さんの問にゆっくりと首を横に振る
「⋯分からないんです
何度も気配の元を探ろうとしてもこの東京中から気配がして、場所を特定できなくて⋯」
「東京中?」
「はい⋯3日前は千葉方面を、一昨日は埼玉方面を⋯
昨日は山梨方面に向かって気配を探ってフライトで飛んでみたんですけど⋯
どれも東京都内からでたら気配がパッタリと途切れるんです」
「という事はその気配の主はこの東京にいるという可能性が高いな」
「ですよね⋯
まだ神奈川方面は行ってないんですけど、それでも途切れる様だったら⋯多分そうかと⋯」
記憶が戻ってから3日間
毎日、クロウカードの気配の元を探る為夜な夜な東京中を飛び回っているけれど
結局気配の元を特定する事は出来ずにいた
「あれからクロウカードに襲われてはいないか?」
「はい、今の所は⋯」
多分、だけど
私があの時影像(シェイド)で雷(サンダー)を飲み込んで⋯尚且つ闇(ダーク)の結界を破壊したから⋯
向こうも警戒して出方を伺っているんじゃないのかな⋯
でも、もし⋯
またクロウカードが襲ってきたら⋯
「⋯⋯」
胸がザワついてぎゅっ⋯とマグカップを強く握ると
「⋯⋯桜、」
その手を昴さんに優しく包まれて
ソッとマグカップから手を離した
「⋯昴さん?」
ふと顔を上げるとその綺麗なエメラルドグリーンの瞳と目が合い⋯
「⋯こうしていると⋯
まるで夫婦みたいだな」
「⋯⋯ふぁ!?」
昴さんのとんでも発言に思わず声が裏返ると
昴さんはぎゅっと強く私の手を握ってきた
「子供達は僕が作ったカレーを食べた後、デザートに桜の作ったケーキを食べ
その後仲良くゲームをする⋯
そしてそれを2人で一緒に見守る⋯
まるで僕たちに子供ができたようだ」
「す、すば⋯るさ⋯」
思わず硬直しながら赤面していると
昴さんがソッと私の手を持ち上げ⋯
チュッ⋯
と私の手首に軽いリップ音を立ててキスをした
「どうだ⋯?
本当に俺との子供を作ってみる気は⋯」
ドンッ!!
「⋯あら、失礼」
とんでもない事を言おうとした昴さんの言葉を遮るように
哀ちゃんが私と昴さんの間に割って入り
持っていたコップをカウンターテーブルに勢い良く置いた
その勢いでコップの中のコーヒーが零れて昴さんの手にかかったけれど
哀ちゃんはそれを気にする事なく私と昴さんの手をグイッと力強く離して私の手を強く握った
「あ、哀ちゃ⋯」
「桜さんもゲーム、やるわよ」
「え、でも今やってるの4人でやるゲームだし⋯」
私が入ると1人あぶれるんじゃ⋯
と断ろうとしたら
「いいから⋯
や・る・の・よっ!!」
「は、はいっ!!」
哀ちゃんの鬼の形相に釣られて勢い良く返事をして
手を引かれるまま子供達の方へ向かった
「フッ⋯言っただろ⋯?
諦めるつもりはないと」
なんて背後で昴さんが呟いた気がしたけれど
振り返る事はできなかった
