47.予言
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チリンー⋯
チリンー⋯
まただ
チリンー⋯
鈴の音が、聞こえる
最近、よくみる
暗闇の中で鈴の音が鳴る⋯『夢』
目が覚めたら忘れてしまうけれど
こうして夢をみている時はそれを思い出す
今日もまた鈴の音を聞いているだけだと思ったけれど
「⋯あ⋯れ⋯?」
私の身体が⋯薄らと光っていることに気づいた
「いつもの夢と⋯ちがう⋯」
そう呟いた時
ふと私の前に⋯誰かが立っている事に気づき
顔を上げた
「⋯⋯⋯あなた⋯ダレ⋯?」
手を伸ばせば私の身体の光で
目の前の人物の姿が見えてくる
ローブの様な服が見え⋯
視線をゆっくりと上に上げていく
そして私の視線が胸元まで上がった時ー⋯
チリンッ!!
「っ⋯!!」
頭の中で鈴の音が強く響き
意識が遠くなっていく
目を閉じる瞬間
『⋯気をつけて⋯』
目の前に居た人が⋯
そう、確かに呟いた
「ん⋯⋯⋯
⋯あさ⋯⋯」
チュン、チュン、と鳥の鳴き声が窓の外から聞こえてきてゆっくり目を開けると
カーテンの隙間から漏れる光で朝だと悟った
「⋯何か⋯夢⋯見てたような⋯⋯」
ぼんやりとしか思い出せないけど
暗闇の中⋯誰かが立ってて⋯
「⋯⋯⋯銀色の⋯⋯⋯髪の毛が⋯」
そう呟いたその時
ピロンッ
とスマホがメッセージを知らせて、顔をそちらに向けた
「ちょっと園子?
私達『ロバノフ王朝の秘宝展』に来たんだよね?
何でこんなに行列ができてるの?」
蘭ちゃんはそう言って⋯
前にできている長蛇の列を不思議そうに見つめた
私とコナン君と蘭ちゃんは園子ちゃんに誘われて
今日『ロバノフ王朝の秘宝展』を観に鈴木博物館に来ていた
「確かに⋯珍しい展示とはいえここまで行列ができるなんて⋯」
「昨夜話した時は割と空いてるから⋯
楽に回れるって言ってたじゃない!」
「昨日まではね〜⋯今朝のニュース観てないの?」
「いや、ちゃんとは⋯何かあったの?」
蘭ちゃんがそう尋ねて園子ちゃんが「ふふんっ」と得意げにそれに答えようとしたら⋯
「この秘宝展の目玉は、ロバノフ王朝の王妃に受け継がれてたという⋯
世界最大級のガーネットが埋め込まれたティアラ
『王妃の前髪(クイーンズ•バング)』!
それを今夜盗むって予告したらしいよ⋯
最近じゃ『令和の魔術師(ウィザード)』って呼ばれて調子に乗ってる⋯
あのキザな悪党がね⋯」
コナン君がスマホをみながらそう教えてくれた
「なるほど⋯キッドが⋯」
キッドが予告状を出したからこの騒ぎか⋯
それなら納得だな⋯
なんて考えて苦笑いしていると
「ウソ!怪盗キッドが!?」
と背後から聞きなれた声が聞こえて
思わず振り返ると
「え?梓ちゃん!⋯に、安室さん?」
そこには⋯
眼鏡をかけた梓ちゃんとキャップを被った降谷さんが
列にならんでいた
「⋯あ、」
私達と目が合った梓ちゃんは
まるでしまった⋯とでも言いたげな顔をしていて⋯
首を傾げる
どうしたんだろう梓ちゃん
って言うか⋯
「2人共今日仕事じゃ⋯」
「お店のエアコンを取り替えるのに半日かかるって言われて⋯」
「今日は臨時休業にするから行って来いとマスターにチケットを⋯」
「あぁ⋯ついに壊れたんですね⋯エアコン⋯」
最近調子悪かったからなぁ⋯
なんて話をしながら2人に近寄り並び直し
「あ、この人達の連れだからお先にどうぞ〜」
梓ちゃん達の前に並んでいた人達にそう言って前に行くように促す園子ちゃんを見ていると
グイッと梓ちゃんから腕を掴まれた
「だ、だからデートとかじゃないからね!?桜ちゃん!!」
「え?べ、別にいいんじゃない?デート」
ズイッと私に顔を近づけてまるで念押しする様にそう言った梓ちゃんに首を傾げながらそう言うと
「「「えっ」」」
「え?」
梓ちゃんと蘭ちゃんと園子ちゃんが驚いた顔をして私を見て
少しの沈黙が続く
「⋯え、な、何?
皆どうしたの?」
何か3人共⋯珍獣でも見たかのような目してない?
咄嗟にコナン君を見ればコナン君はコナン君でジトーッとした視線を私に送っていて⋯
「え、本当何?」
皆の視線に困惑していると何かに気づいた梓ちゃんが
「あ、分かった!」
ポンと手を叩いた
「え?」
「分かった?」
「私は桜ちゃん、蘭ちゃん、園子ちゃんと一緒に来てて⋯
安室さんはコナン君と一緒に来てる事にしましょう!」
私の背中をグイッと押して降谷さんと少し距離をとった梓ちゃんに
梓ちゃんが何で『デート』にしたくないのか察した
「何でワザワザ?」
「シッ!」
梓ちゃんが園子ちゃんの言葉を遮る様に人差し指を立てたその時
「あ!ポアロの店員さんだ!」
「男の子連れてる!」
「甥っ子かなぁ?」
「わっ安室さんっ
この前新メニューお勧めしてた!」
「どこどこ?私の推しっ」
「アムぴっ」
並んでる列の女性達がこぞって降谷さんを見て頬を赤らめてキャッキャと騒ぎだした
「⋯⋯アムぴ、」
その敬称この世界でも同じなのか
「そっか!ここって米花町だから⋯」
「ポアロのお客さんいっぱいいるかも!」
「だから私なんかが安室さんと一緒にいる所を見られたらまたネットで大炎上案件なんですよ!」
「やっぱり⋯それ気にしてたんだね⋯」
思わず苦笑いすると
降谷さんも苦笑いして梓ちゃんに声をかけた
「気にし過ぎですよ!眼鏡までかけて⋯」
にしても降谷さんが居るだけでこのざわつき⋯
組織に潜入してる公安の捜査官なのに
目立ち過ぎなのでは⋯
まあ降谷さんのあの顔面力なら納得だけどさ⋯
なんて苦笑いしていると降谷さんが私の隣に立って私の顔を覗いてきて
その近い距離に一瞬心臓がドキリと跳ねた
「桜さん今日は蘭さん達とお出かけだったんですね」
「は、はい⋯あ、そういえばちょっと前に安室さんからきてたメッセージって⋯
もしかしてこの展示会に誘おうとしてくれたんですか?」
それは少し前の事⋯
降谷さんから今日は何か予定があるかメッセージが来ていて
それに今外出中だと伝えたんだけど⋯
もしかしたら誘おうとしてくれたのかな?
と思い降谷さんを見上げると
降谷さんはにっこりと微笑んだ
「ええ、マスターから貰ったチケットは3枚で⋯
梓さんと一緒に桜さんも誘おうって話してたんです
まさかこんな所で会うとは思っていませんでしたけど」
「ふふ、ですね」
本当偶然だなぁ〜と笑っていると
ふと、降谷さんが声をワントーン落とした
「僕はてっきり⋯
あの沖矢という男の所かと思っていましたよ⋯」
「⋯⋯」
せ、背筋が寒いっ⋯
思わず降谷さんから瞳を逸らすと
「まぁでもこんな事になるだろーと思って桜さん誘っておいて正解だったわ〜」
園子ちゃんが明るく声を上げながらそう言った
「え?私?」
「ほら、この間のミラクルランドで桜さん散々な目にあったからちょっとでも元気になって欲しくて⋯
だから桜さんキッドファンだから喜ぶかなーって思って今日誘ったの」
園子ちゃんはそう言ってパチンッとウインクして⋯
「園子ちゃん⋯
うぅっ園子ちゃんは本当いい子だな〜っ!!」
「わわっちょっ!桜さん髪の毛崩れるってば!」
その優しさにジンッ⋯と感動して
思わずその可愛い頭を撫で回していると
「⋯桜さん、怪盗キッドのファンなんですか?」
降谷さんからそう言われて手を止めた
「え?ファン⋯まあ、確かにそうですね⋯」
最初は園子ちゃんの勘違いでキッドファンって事になっちゃったけど⋯
実際怪盗キッドはここに来る前から好きだったし⋯
「⋯かっこいいし⋯」
ファンになる⋯のかな?
と考えながらそう呟いた為
「⋯⋯⋯へぇ⋯」
そう、声を低くして頷いた
降谷さんの顔は見ていなかった
「でもこの感じだと⋯
あと1時間ぐらいは中に入れそうにないね⋯
キッドが予告した時間は深夜0時みたいだから⋯
お客さんは居られないのに⋯」
「キッド様が盗みに来るお宝を皆見たいのよ!」
「ーにしても暇だよね?」
コナン君のその言葉に
確かに並んでる間暇だよねぇ⋯
と何か暇つぶしになるような事をできないか考える
何かミニゲームみたいな⋯皆で楽しめる事ができたらいいんだけど⋯
クイズ?なぞなぞ?
いや⋯コナン君と降谷さんがいるから直ぐに解かれそう⋯却下だな⋯
⋯うーん⋯いい暇つぶし⋯
暇つぶしといえば⋯
「あ!そうだ!!
それなら安室さんのカードマジックはどうかな?
ほら、手が空いた時に見せてくれるやつです」
それは最近、ポアロでお客さんが来ず暇を持て余している時に降谷さんが見せてくれるカードのマジックで⋯
暇つぶし、という単語でその事を思い出した
「あ、それいいね!」
梓ちゃんがそう言って頷いたのを見て
蘭ちゃんと園子ちゃんもそれに食いついた
「何ソレ?」
「見たいです!!」
「凄いんだよ安室さんのマジック」
「梓ちゃんと一緒に何回も見せてもらったけど全然タネが分からないんだよね〜」
「でもカードがないと⋯」
「あ、確かに⋯そうですよね⋯」
つい思いつきで言っちゃったけど
トランプがないとできないよね⋯
考え無しに言っちゃったな⋯と反省していると
「あ、私持ってるよ!」
園子ちゃんのその言葉にそっちを見れば
園子ちゃんは鞄を手に持つと中からトランプの束を取り出した
「持ってるの?」
「キッド様関係の時はいつも!
もしかしたらサイン貰えるかもって⋯」
流石園子ちゃん⋯
「では⋯
タネも仕掛けもありません⋯」
園子ちゃんからトランプを受け取った降谷さんは
ジャーッとトランプを混ぜると
その1番上のカードを手に取った
「カードの束の1番上のカードをめくります!」
「ハートのAね!」
「それをカードの束の上に置いて⋯
ひっくり返し⋯
1番上のカードを⋯
カードの束の中に入れちゃいます!
ハートのAどこに行ったと思います?」
「そ、そりゃあ⋯」
「カードの束の中に⋯」
園子ちゃんと蘭ちゃんがそう言うと
降谷さんは少し得意げに微笑んだ
「じゃあ1番上のカードをめくってみてください!」
「ま⋯」
「まさか⋯」
蘭ちゃんがゆっくりと1番上のカードをめくると⋯
そこにあったのは束の中に入ったはずのハートのAだった
「すごーい!」
「ハートのAが戻ってる!」
「ね!ね!凄いでしょ?」
「やっぱり何回見てもどうやってるか分かんない⋯」
「本物のマジシャンみたいです!」
「安室さんならキッド様と渡り合えちゃうかも!!」
「そんな⋯大袈裟ですよ!」
「でも安室の兄ちゃんならいけるかもね!」
なんてわいわい話していたら
「ダブルリフトからの⋯
ダブルターンオーバー⋯」
「え?」
背後で声がして振り返ると
そこには帽子を深めに被り無精髭を生やした男の人が立っていて⋯
「ちょいとカード⋯お借りしやすよ⋯」
その人はそう言って降谷さんからカードの束を取った
「まずはデック⋯つまりカードの束から⋯
トップ⋯1番上のカードを1枚取ったかのように見せかけて⋯
実は2枚重ねて取っている⋯」
男の人はそう言って私達に
ピラッとカードを見せた
その手には手前にスペードのAのカードがあり
その後ろにはダイヤの4のカードがある
「その2枚のカードの束にひっくり返して重ねる時に⋯
2枚を少しズラして⋯
後ろに隠れていたカードが目立つように上に重ねるとベスト!
後は1番上のカードを残しつつ⋯
上から2枚目のカードと一緒にカードの束から半分引き抜き⋯
上に重ねたら⋯
中に入ったはずのスペードのAが⋯
カードの束の1番上に戻ってるってワケだ!」
「な⋯」
「なるほど⋯」
「へぇ〜そういう仕掛けだったんだ⋯」
⋯って言うかこの人⋯
1番上のカードの事『トップ』って言ってた⋯
だとしたら⋯この人⋯もしかして⋯
ジッとその横顔を見ていると
帽子を深めに被ったその男の人は私の方を見てクスリと笑った後
「大昔からやられてるこんな子供だましで⋯
勝った気でいるんなら⋯
痛い目に遭うぜ?
名探偵!」
そう言って、トランプを弾かせて上に向かって投げた
その瞬間投げたはずのトランプは白い鳩になり⋯
空へと羽ばたいていく
「カ、カードが⋯」
「鳩に⋯」
「綺麗⋯」
澄んだ青空に広がる白い鳩に目を奪われていると
「⋯ーーーー⋯」
「ぇっ⋯」
男の人に耳元で囁かれ、驚いて振り返ったけれど
そこにはもう、誰も居なかった
「あれ?さっきの人いなくなってる⋯」
「何だったんだろうね?あの人⋯」
「⋯多分、今の人は⋯」
「怪盗キッドだと思うよ!
キッドキラーって呼ばれてる僕を⋯
挑発しに来たんだよ!!」
「ええっ!?」
「ウソーッ!?」
「実は僕今夜秘宝展を主催した鈴木次郎吉さんに呼ばれてるし⋯」
やっぱり⋯そうだよね
さっきのトランプマジックの時
1番上のカードを『トップ』って言ってたのはマジシャンだからで⋯
それに⋯さっき男の人から囁かれた言葉
『今夜の盗みが終わったら⋯話したい事がある』
話したい事って⋯何だろう⋯
快斗君の事を考えていた思考は
「コナン君⋯
それは本当かい?」
降谷さんのワントーン落としたその声で現実に戻された
「さっきの男が怪盗キッドだというのは⋯
本当⋯なのかい?」
降谷さんはどこか怖い顔をして
コナン君へ顔を近づけながらそう言っていて⋯
そのただならぬ雰囲気に
「あ、うん⋯
た、多分⋯」
コナン君は少したじろぎながら返事をした
「あ、安室さん⋯?」
明らかにいつもと違う降谷さんの様子に思わず声をかけると
降谷さんはスッと立ち上がり私達から少し離れるとポケットからスマホを取り出して画面を操作するとそれを耳に当てた
⋯電話?
「風見か?
降谷だが、確か君は今日非番だったよな?」
電話相手⋯風見さん?
そういえば風見さん⋯この間一緒にネトゲした時
今日開催されてるアイドルフェスに行くって言ってたような⋯
でも降谷さん、
何で風見さんに電話を⋯
「悪いがフェスはまた次の機会にしてくれ⋯」
「⋯え?」
驚いて降谷さんの顔を見れば
「今すぐに僕と合流しろと言ってるんだ!!」
そこには般若がいた
