一歩千金
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十六夜が角都にその命を拾われ、数年の時が過ぎたーーー。
暁は長であるペインの下、構成メンバーを増やしていき現在は総勢九名の組織となった。そして残る一人ーーー元湯隠れの忍である飛段と言う男を十人目のメンバーとして受け入れる事が決まり、ペインによって彼の迎え役となった角都は十六夜を連れて他のメンバーと共に飛段の捜索に当たっていた。
「十六夜と会うのも久し振りだね、元気だった?相モ変ワラズ角都ニベッタリノ様ダナ」
「お久し振りです、ゼツ殿。角都様のお側でお仕えする事が私の至上の命でございますから」
背後から聞こえて来るそんな会話に、角都と肩を並べて歩いていた大蛇丸は口元に微笑みを浮かべながら横目で角都を見つめた。
「彼女も随分と垢抜けたわね、女らしくなったわ…アナタが、そうさせたのかしら?」
「さぁな…だがアレはオレの為に生き、オレの為に死ぬ女だ。何処の馬の骨とも分からん男にうつつを抜かす様なバカな女ではない」
「…それは遠回しの牽制かしら?アナタも随分と丸くなったわね」
「抜かせ、」
大蛇丸は内心驚きを隠せないでいた。
角都が十六夜を拾って数年、その間にも何名か角都の相方となるメンバーは加入したが誰一人としてその座に留まった者はおらず、皆角都の手によって殺されていた。己に従順で、角都の元で修行を重ねて今や他のメンバーとも遜色の無い力を付けた十六夜を角都が大層買っている事は承知の上であったが、金以外に一切の興味を示さない角都が多少とは言え十六夜と言う人間に対して執着を見せた事が意外に思われたのだ。
「まぁ、良い部下は大切にする事ね。彼女は優秀な忍よ」
「フン…」
下らない話は終いだとばかりに歩みを早めた角都に大蛇丸は肩越しにゼツと会話を続けている十六夜の姿を見つめた。面でその表情こそ隠されているものの、纏う空気はその手を血に染める事を厭わぬ忍とは思えぬ程穏やかな物だった。
「取り敢えずは湯隠れの里まで来た訳だけど、飛段をどうやって探したものかしらね」
「彼の残した形跡が僅かでもあれば私の口寄せで追跡する事も可能ですが…」
「三連の大鎌を背負った銀髪の男らしいよ」
「無駄に頭を突き合わせていても時間の無駄だ、手分けして情報を集めるぞ」
角都の言葉に皆は頷くとその場から散り、各々情報を得る為に里や周辺へと向かった。
そして数刻後、数日前に最後に飛段が目撃された場所が判明し全員がその場へ集まると、時を同じくして再びその場に現れた飛段と邂逅したのだった。
「何だァ、テメェら…揃いも揃ってよォ、」
「会いたかったわ、飛段。アナタの事を探していたのよ」
「あん?そりゃあ、どう言うこった」
気怠そうに己らを見つめる飛段に対し、大蛇丸が事の顛末を説明していく。事の成り行きを黙って見守っていた角都と十六夜だったが、やはり簡単に話が進む筈も無く、すっかり臨戦態勢になった飛段に十六夜は小さく息を吐いて大蛇丸と角都を庇う様に二人の前に立った。
「お、アンタが相手か?」
「…角都様、大蛇丸殿。此処は私が、」
「待て、オレと大蛇丸で行く。不死と言うものが本当かどうか見極める必要があるからな」
「畏まりました」
ごきりと鳴らした指先から土色に変色していく掌。十六夜は角都が脱ぎ捨てた外套を抱えると少し離れた場で様子を伺っていたゼツの隣に並び、事の行く末を見守った。
結果的に飛段の不死は本物であり、戦いに敗れた飛段は暁への加入を了承する事となった。ペインの待つアジトへ向かい、飛段が正式に暁に加入する事が決まった。そしてその特異的な不死の能力から、長年相方が不在だった角都と飛段がツーマンセルを組む事が決定し、これよりこれまでは水面下で活動していた暁と言う組織が世にその名を知らしめる事になる。
「何だよ、アンタは暁のメンバーじゃなかったのかよ」
「私は角都様にお仕えする者です、暁には角都様に追従する形で仕えているに過ぎません…これから宜しくお願い致します、飛段殿」
「堅っ苦しーな、オイ!飛段でいいし敬語も要らねぇよ、アンタのが歳上だろ?」
「まぁ、そうですが…じゃあ、飛段」
「おう!それでいいぜ!」
「お前ら何時迄遊んでいる、行くぞ」
角都の声に十六夜と飛段は振り返ると、少し先で己らを見つめていた角都の元へと駆けて行ったのだった。
(「なぁなぁ、角都ぅ!オイ、聞いてんのかよー?」)
(「うるさい、黙れ」)
(「オイ、十六夜!コイツ、ほんっと可愛げねぇーよな!」)
(「は、はは………大変なのが、相方になったなぁ…」)
▽
久し振りにあとがきました。少しだけ補足です。
暁メンバーの加入・脱退は原作、アニメ、ゲームで時系列が様々で、どれに合わせるかめちゃくちゃ迷いました。
迷った結果、作画がとても好きなのでゲームの暁創生をベースに合わせる事に決めました。
ただそれでも曖昧な部分があるので、正直時系列はふわっと見ないフリして頂けると大変有り難いです。一応自分の中でヒロインちゃんは16?→24?くらいて書いてます。
ふわっとしたあとがきでした。ここまでお読み頂きありがとうございました!
暁は長であるペインの下、構成メンバーを増やしていき現在は総勢九名の組織となった。そして残る一人ーーー元湯隠れの忍である飛段と言う男を十人目のメンバーとして受け入れる事が決まり、ペインによって彼の迎え役となった角都は十六夜を連れて他のメンバーと共に飛段の捜索に当たっていた。
「十六夜と会うのも久し振りだね、元気だった?相モ変ワラズ角都ニベッタリノ様ダナ」
「お久し振りです、ゼツ殿。角都様のお側でお仕えする事が私の至上の命でございますから」
背後から聞こえて来るそんな会話に、角都と肩を並べて歩いていた大蛇丸は口元に微笑みを浮かべながら横目で角都を見つめた。
「彼女も随分と垢抜けたわね、女らしくなったわ…アナタが、そうさせたのかしら?」
「さぁな…だがアレはオレの為に生き、オレの為に死ぬ女だ。何処の馬の骨とも分からん男にうつつを抜かす様なバカな女ではない」
「…それは遠回しの牽制かしら?アナタも随分と丸くなったわね」
「抜かせ、」
大蛇丸は内心驚きを隠せないでいた。
角都が十六夜を拾って数年、その間にも何名か角都の相方となるメンバーは加入したが誰一人としてその座に留まった者はおらず、皆角都の手によって殺されていた。己に従順で、角都の元で修行を重ねて今や他のメンバーとも遜色の無い力を付けた十六夜を角都が大層買っている事は承知の上であったが、金以外に一切の興味を示さない角都が多少とは言え十六夜と言う人間に対して執着を見せた事が意外に思われたのだ。
「まぁ、良い部下は大切にする事ね。彼女は優秀な忍よ」
「フン…」
下らない話は終いだとばかりに歩みを早めた角都に大蛇丸は肩越しにゼツと会話を続けている十六夜の姿を見つめた。面でその表情こそ隠されているものの、纏う空気はその手を血に染める事を厭わぬ忍とは思えぬ程穏やかな物だった。
「取り敢えずは湯隠れの里まで来た訳だけど、飛段をどうやって探したものかしらね」
「彼の残した形跡が僅かでもあれば私の口寄せで追跡する事も可能ですが…」
「三連の大鎌を背負った銀髪の男らしいよ」
「無駄に頭を突き合わせていても時間の無駄だ、手分けして情報を集めるぞ」
角都の言葉に皆は頷くとその場から散り、各々情報を得る為に里や周辺へと向かった。
そして数刻後、数日前に最後に飛段が目撃された場所が判明し全員がその場へ集まると、時を同じくして再びその場に現れた飛段と邂逅したのだった。
「何だァ、テメェら…揃いも揃ってよォ、」
「会いたかったわ、飛段。アナタの事を探していたのよ」
「あん?そりゃあ、どう言うこった」
気怠そうに己らを見つめる飛段に対し、大蛇丸が事の顛末を説明していく。事の成り行きを黙って見守っていた角都と十六夜だったが、やはり簡単に話が進む筈も無く、すっかり臨戦態勢になった飛段に十六夜は小さく息を吐いて大蛇丸と角都を庇う様に二人の前に立った。
「お、アンタが相手か?」
「…角都様、大蛇丸殿。此処は私が、」
「待て、オレと大蛇丸で行く。不死と言うものが本当かどうか見極める必要があるからな」
「畏まりました」
ごきりと鳴らした指先から土色に変色していく掌。十六夜は角都が脱ぎ捨てた外套を抱えると少し離れた場で様子を伺っていたゼツの隣に並び、事の行く末を見守った。
結果的に飛段の不死は本物であり、戦いに敗れた飛段は暁への加入を了承する事となった。ペインの待つアジトへ向かい、飛段が正式に暁に加入する事が決まった。そしてその特異的な不死の能力から、長年相方が不在だった角都と飛段がツーマンセルを組む事が決定し、これよりこれまでは水面下で活動していた暁と言う組織が世にその名を知らしめる事になる。
「何だよ、アンタは暁のメンバーじゃなかったのかよ」
「私は角都様にお仕えする者です、暁には角都様に追従する形で仕えているに過ぎません…これから宜しくお願い致します、飛段殿」
「堅っ苦しーな、オイ!飛段でいいし敬語も要らねぇよ、アンタのが歳上だろ?」
「まぁ、そうですが…じゃあ、飛段」
「おう!それでいいぜ!」
「お前ら何時迄遊んでいる、行くぞ」
角都の声に十六夜と飛段は振り返ると、少し先で己らを見つめていた角都の元へと駆けて行ったのだった。
(「なぁなぁ、角都ぅ!オイ、聞いてんのかよー?」)
(「うるさい、黙れ」)
(「オイ、十六夜!コイツ、ほんっと可愛げねぇーよな!」)
(「は、はは………大変なのが、相方になったなぁ…」)
▽
久し振りにあとがきました。少しだけ補足です。
暁メンバーの加入・脱退は原作、アニメ、ゲームで時系列が様々で、どれに合わせるかめちゃくちゃ迷いました。
迷った結果、作画がとても好きなのでゲームの暁創生をベースに合わせる事に決めました。
ただそれでも曖昧な部分があるので、正直時系列はふわっと見ないフリして頂けると大変有り難いです。一応自分の中でヒロインちゃんは16?→24?くらいて書いてます。
ふわっとしたあとがきでした。ここまでお読み頂きありがとうございました!
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