短編01
最初に見たのは自分の右手だった。
静かに息を吸い込むと深い森の湿気った香りと
入れたてのコーヒーの匂いがして
ここはどこだろうとまだ寝ている頭で考えた。
寝巻きは汗でじっとりしていたし、
昨夜切りすぎた前髪は眉毛の上に並んでいた。
時計は六時を指していて、明るさからは午前か午後かを判断できなかった。
ベッドの上で上半身だけを起こしたら、
浮いている赤ん坊と目が合う。彼は目を細め
「おはよう」と言った、その声は鼓膜を震わせることはなかったが確かに私に届いた。
夢を見ていた、とても長い夢を。
それは辛く悲しい夢であったが、内容はもう覚えていなかった。
静かに息を吸い込むと深い森の湿気った香りと
入れたてのコーヒーの匂いがして
ここはどこだろうとまだ寝ている頭で考えた。
寝巻きは汗でじっとりしていたし、
昨夜切りすぎた前髪は眉毛の上に並んでいた。
時計は六時を指していて、明るさからは午前か午後かを判断できなかった。
ベッドの上で上半身だけを起こしたら、
浮いている赤ん坊と目が合う。彼は目を細め
「おはよう」と言った、その声は鼓膜を震わせることはなかったが確かに私に届いた。
夢を見ていた、とても長い夢を。
それは辛く悲しい夢であったが、内容はもう覚えていなかった。
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