短編01
この森には何もいない、
迷い込んだのは思い出せないほど昔で、
でも耳の火傷はまだ治らなかった。
忘れたかった彼の祈りにも似た咆哮は、
火傷痕を優しく撫で、私の脳を強く揺らした。
森の呼吸が止み、地面が溶けた。
この世で一番弱い生き物としてその場に頽れる。
生き残れないと感じる前に身体は勝手に死を選ぶ。
崩れる地面に吸い込まれた私が瓦礫に埋まり消えるまで、彼の流れる視線は私を緩く抱きしめた。
迷い込んだのは思い出せないほど昔で、
でも耳の火傷はまだ治らなかった。
忘れたかった彼の祈りにも似た咆哮は、
火傷痕を優しく撫で、私の脳を強く揺らした。
森の呼吸が止み、地面が溶けた。
この世で一番弱い生き物としてその場に頽れる。
生き残れないと感じる前に身体は勝手に死を選ぶ。
崩れる地面に吸い込まれた私が瓦礫に埋まり消えるまで、彼の流れる視線は私を緩く抱きしめた。
