短編01

偽物の空がビルの窓を染めていた。
人混みの中でも、彼の爪は黒かった。

どこかでロープが切れたから死ねない、死にたい。
ここより悪い所などもうどこにもないでしょう?
ここでないならどこでも良くて、
鳥は落ちて死ぬことがないからスピードを上げる。

彼は死ぬことができない、
もうロープはどこにも無いのだ、
泥を飲もうか。火をつけようか。

あの日、溶けたガラスは私を掠めた
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