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宇宙で死んだ者が、自分の元へ帰ってこないのだと気づいたのはいつだっただろうか。

私の父は、家族は皆平和のために戦っていて、それは私や友人、恋人、家族など過去や未来の愛する者のため。そして彼らの生きる理由として存在していた。

ずっと昔に死んだ互いに触れることすらできなかった双子や、恋人の帰る家となった彼女も自分のためにあるいは愛する者のため戦っていた。

死んでいった彼らの気持ちも、それを背負い戦い続ける家族の気持ちも私は知っている。知っていて、どうしようも出来ず持て余す。

母はそんな私を「優しい」と言う。「あなたは優しいのね」と。

そう言われるたびに、優しさから来ているのではないこの感情を曖昧に笑うことでしか外に出せないくやしさを抱えることになる。

母は心の底から私に優しいと言うし、確かに外側から見れば死んでいった者や死にゆく者に対して抱くこの感情は優しく、美しいものだろうと思う。
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