証明

そう言いながらこちらに向き直し、真っ直ぐに私を見ていた。
彼は優しい、ちゃんと目を見て話を聞いてくれる。
それだけが愛だと言うのならとても愛されていると思う。しかしそれだけでは足りないのだ。
「正直、友達みたいだよ。毎日駅まで一緒に帰る、たまの休みに一緒に遊ぶ。廊下ですれ違う時に手を振ったり、寝る前にメールしたり…」
喋りながら見上げた彼の顔がいつもと違くて、言葉に詰まる。でもどこが違うかわからなかった。
「お前としかしてない。一緒に帰ることも、廊下で手を振ることも、毎日のメールも」
わざわざ携帯を開いて見せてくれる、私からのメールで埋め尽くされている。
当たり前みたいに操作する画面には私の横顔
「ちょっとまって、待ち受けいつ撮ったやつ…?」
展望台から景色を見る私の姿。撮られた記憶がない。
「先月のデートだ」
スッと見せてくれるが、驚きと照れでよく見れない。
そんなことするタイプだと思ってなかった、写真を撮られていることに気づいてなかった。
色んな感情がぐるぐると回る。私は彼のことをちゃんと知らなかったのかもしれない。
短い会話でいかに愛されてるか思い知らされる。
戸惑う私に追い討ちをかけるように
「こうすれば伝わるか?」
と聞こえてきた。
そうして彼の匂いが近づいて、そっと抱きしめられた。
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