寝息

雨の午前3時半、不意に目が覚めて眠れなくなる。
部屋の中は薄らと明るくなりつつあって、部屋の空気は冷たかった。
寝ているうちに失った布団を探す、手近にあった角をつまんで引き寄せる。
ピンと張った布団の先は彼が巻き込んで丸まって寝ている。奪い取るなら自分だけでもちゃんとかけて寝てくれよ。ぐっとさらに引っ張るが動く様子はない。
「まさはる、ふとん…」
Tシャツの布越しに背骨に触れる、ぽこぽことした膨らみ。いつから出てるのか少し冷たい。
「つめたいよ、おふとんかけよう」
規則正しく膨らみ、萎む。
胸、背中、雅治。
朝の青い光と暗い部屋が交わる。
しょうがないから、背中にぴったりとくっつき、首筋に鼻を埋める、長い襟足がくすぐったい。
彼の匂いで肺を満たす。呼吸を合わせたら、ひとつのいきものになったみたい。
くっついた部分だけが温かくなる、背中や腕は寒いままだったが、別に良いかと思って目を閉じた。
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