選択

勝ち誇ったような顔の奥に覗く不安を私は見逃さない。
隠しきれない感情の全てをも私のものにしたかった。
彼は無邪気に笑いながら、私の手首を掴むと、乱暴に引き寄せ、痛いほど私を抱きしめる。
この愛には痛みが伴うとわかっていたはずなのに、選ばずにいられない。
彼の首筋に軽く噛み付く。甘くついた歯形は少し赤い。
痛いほど愛し合っていると証明したい、世界中に知らしめたい。
痛みが愛、苦しみが愛、赤い傷が愛。
愛こそがあなた。私こそが愛。彼の歯が首筋に触れた。
薄闇の部屋の中で、私たちは共に落ちる。
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