選択

彼に見つめられると、まるで熱い蜂蜜を肌に流されているかのように、身体がじわりと重くなる。
彼の大きな瞳からは逃げられないんだと自覚させられる。
金縛りみたく身動きが取れないまま、彼の大きな手が私の頬に伸びてくるのをただ受け入れる。ひんやりとした彼の手が私の頬を包み込んで初めて自分の体温を知る。
私だけがこんなに熱くて、もしかしたら好きなのは私だけなのかもしれないと思う。一方通行の愛。
でも、じゃあ、この熱を帯びた瞳は、彼の視線はなんなんだろう。これが愛じゃないのなら、他の何も愛じゃないと思うほどの重力。私の意思ではもう指先一つ動かせなかった。
薄暗い部屋で、彼は口角を上げた。
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