紳士
気が向いたら花壇に花を見に来るようになり、いつきても雑草のない綺麗なこの場所を含め、校内の花壇は園芸部の努力で整えられていることを、花を見に行くとたまに会うようになった彼女に教えてもらった。
「もうすぐ野菜の苗も植えるんです」なんて楽しそうな顔で話してくれた。
ひらひらした花の名前は後で調べた。
ペチュニア
やはり聞き覚えがあり、思い出せなかった事が少し悔しかった。
そのせいで花壇で見かけた花の名前を調べることが、いつの間にか習慣になっていた。
マリーゴールド、キンギョソウ、ニチニチソウ、サルビア、ラベンダー、ホリホック……
:
その日は部活に行く前に花壇に立ち寄った。
園芸部の彼女が何かの苗を運んでどこかへ向かうところだった。
「ひまわり、ですか?」
彼女は少し驚いた顔をして、そのあと小さく笑った。
「よくわかりますね、まだ花咲いてないのに」
そう言いながら、苗を見せてくれた。
硬く結ばれた蕾、まだ小さい葉、イメージするひまわりより色も薄い。それでもひまわりだとわかる。
「葉っぱの形がひまわりみたいだな。と思いまして」
そんな私の言葉に、
「博識なんですね」と穏やかに返す彼女は、少しだけ私の顔を見ていた。
彼女は「よいしょ、」と小さく呟きながら苗の並んだケースを持ち直し
「ひまわりは校舎裏に植えるので、楽しみにしててください」と教えてくれた。
「夏らしくて良いですね」と返事をして、彼女の背中を見送る。
数歩歩いた彼女が、くるりと振り返り
「部活、頑張ってください。柳生先輩」
と真っ直ぐ私の目を見てそう言った。
呼ばれた名前が、妙に耳に残った。
「もうすぐ野菜の苗も植えるんです」なんて楽しそうな顔で話してくれた。
ひらひらした花の名前は後で調べた。
ペチュニア
やはり聞き覚えがあり、思い出せなかった事が少し悔しかった。
そのせいで花壇で見かけた花の名前を調べることが、いつの間にか習慣になっていた。
マリーゴールド、キンギョソウ、ニチニチソウ、サルビア、ラベンダー、ホリホック……
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その日は部活に行く前に花壇に立ち寄った。
園芸部の彼女が何かの苗を運んでどこかへ向かうところだった。
「ひまわり、ですか?」
彼女は少し驚いた顔をして、そのあと小さく笑った。
「よくわかりますね、まだ花咲いてないのに」
そう言いながら、苗を見せてくれた。
硬く結ばれた蕾、まだ小さい葉、イメージするひまわりより色も薄い。それでもひまわりだとわかる。
「葉っぱの形がひまわりみたいだな。と思いまして」
そんな私の言葉に、
「博識なんですね」と穏やかに返す彼女は、少しだけ私の顔を見ていた。
彼女は「よいしょ、」と小さく呟きながら苗の並んだケースを持ち直し
「ひまわりは校舎裏に植えるので、楽しみにしててください」と教えてくれた。
「夏らしくて良いですね」と返事をして、彼女の背中を見送る。
数歩歩いた彼女が、くるりと振り返り
「部活、頑張ってください。柳生先輩」
と真っ直ぐ私の目を見てそう言った。
呼ばれた名前が、妙に耳に残った。