短編
忘れ物を取りに来たついでに自習室で勉強を少しだけした。クーラーが効いてて肌寒かった。
帰りは日差しが強くて、思わず日傘を開く。
制服姿で日傘をさすことは少しアンバランスな気がした。
土曜日だし、昼ごはんどこかに食べに行こうかな。そういえば欲しい本と無くなりかけの文房具があるから、バスで大きな本屋にでも向かおうか、カフェもついてるしそこでランチもありだな。なんて考えながら校門をくぐる。
無駄に広い学校の敷地を囲む生垣が青々と茂っていて夏を感じる。昼間の正門側はこんなに日陰がないものかと日傘の柄を握り直す。普段は校舎の中だもんななんて考えながら暑い外をゆっくり歩く。
バス停には人影があった。が、様子がおかしい。
近づくと理由がわかった。
バス停の看板っていうのかな、時刻表や運行ルートが貼られた、あの板が作る小さな影に、しゃがむことでなんとか収まりたいらしい。
見知った人影に思わず声をかける。
「…地面近い方が暑くない?」
しゃがんでる男子は私を見上げて
「おー。珍しいのう土曜に会うなんて」と私の質問には一つも答えず影の中から目を細める。
「忘れ物取りに来たの。ついでに自習室寄って帰るとこ」
私はちゃんと質問に対する返事をする。
彼は部活終わりだろう、黄色いジャージに大きなテニスバッグを背負っている。
「良いもん持ってるのう」と立ち上がる彼はフラッと日傘に滑り込む。
「え、」
「暑いけ、助かった」
しらーっとした顔でバスが来るのを待つ彼の横顔が綺麗で腹が立つ。でも確かに外は暑いし、日差しは強い。
やっぱり地面は暑かったんだなと自分を勝手に納得させる。
「日傘って結構涼しいんじゃな」
なんてゆるく笑うから、彼のために少し傘を高く持ち直す。
「仁王も買えば?」
土曜の正午。晴れの相合傘に照れてるのは私だけなのが悔しくて視線を足元の小石に移す。
そんな私を知ってか知らずか、頭上から
「…お前さんが選んでくれるなら、それもありぜよ」
なんて聞こえた。
帰りは日差しが強くて、思わず日傘を開く。
制服姿で日傘をさすことは少しアンバランスな気がした。
土曜日だし、昼ごはんどこかに食べに行こうかな。そういえば欲しい本と無くなりかけの文房具があるから、バスで大きな本屋にでも向かおうか、カフェもついてるしそこでランチもありだな。なんて考えながら校門をくぐる。
無駄に広い学校の敷地を囲む生垣が青々と茂っていて夏を感じる。昼間の正門側はこんなに日陰がないものかと日傘の柄を握り直す。普段は校舎の中だもんななんて考えながら暑い外をゆっくり歩く。
バス停には人影があった。が、様子がおかしい。
近づくと理由がわかった。
バス停の看板っていうのかな、時刻表や運行ルートが貼られた、あの板が作る小さな影に、しゃがむことでなんとか収まりたいらしい。
見知った人影に思わず声をかける。
「…地面近い方が暑くない?」
しゃがんでる男子は私を見上げて
「おー。珍しいのう土曜に会うなんて」と私の質問には一つも答えず影の中から目を細める。
「忘れ物取りに来たの。ついでに自習室寄って帰るとこ」
私はちゃんと質問に対する返事をする。
彼は部活終わりだろう、黄色いジャージに大きなテニスバッグを背負っている。
「良いもん持ってるのう」と立ち上がる彼はフラッと日傘に滑り込む。
「え、」
「暑いけ、助かった」
しらーっとした顔でバスが来るのを待つ彼の横顔が綺麗で腹が立つ。でも確かに外は暑いし、日差しは強い。
やっぱり地面は暑かったんだなと自分を勝手に納得させる。
「日傘って結構涼しいんじゃな」
なんてゆるく笑うから、彼のために少し傘を高く持ち直す。
「仁王も買えば?」
土曜の正午。晴れの相合傘に照れてるのは私だけなのが悔しくて視線を足元の小石に移す。
そんな私を知ってか知らずか、頭上から
「…お前さんが選んでくれるなら、それもありぜよ」
なんて聞こえた。