短編

「俺お前と喋ってると妹ほしいとおもうねん」

訳のわからんことを急に言い出して、満足そうにニカニカと笑うこの先輩は本当にアホなんだと思う。
たぶん先輩は私のことが好きで、一緒にいるのが楽しいよ!みたいなことが言いたいんだと思う。
さすが浪速のスピードスター(笑)ついていけないよ。
速すぎて私の3歩先を歩いているから、私が立ち止まったことに気づいてない。

「つまり、私は先輩の彼女にはなれないんですね?」

あ、動き止まった。珍しいもの見た。財前君が見たら動画撮るだろうな、静止画じゃありませんってキャプションつけてブログに載せるだろうな。
でも、こんな面白いもの誰にも見せてあげないけど。

先輩の考えてることなんて大体わかる。
きっと慌てて言い訳をしてくる、そんな意味で言ったんじゃないとか、彼女になってくれとか。自分でも何言ってるかわからないんだろうな。そんな先輩が目に浮かぶ。
わかった上でいじわるをする。私って性格悪いんです、知ってました?

中途半端に開いた口から言葉が出てくるのを今か今かと待つ。先によだれが出てきそうだよ先輩。虫入っちゃうよ。私の前だけにしてくださいそんな無防備な顔。

「えっ!? いやっ、待て待て待て! なんでそうなるん!? 違う、そうやなくて、えーっと……お前といるとめっちゃ楽しくて、ずっと一緒にいてほしいし、一生大事にしたいってことで……いや、彼女になれへんわけないやろ! むしろなってくれんと困るわ!!」

ほら慌ててる、かわいい。
先輩、わかってますか?それが告白になっちゃうんですよ。なんならほぼプロポーズですよ。
目の前でドタバタと言い訳のような愛の言葉をポロポロこぼす先輩のこと、兄だなんて思ったことないですよ。
めっちゃ好きです。ずっと私の前でドタバタしてください。先輩のスピードについていけるの私だけですよ。
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