短編
「ねぇ、これできる?」
彼女が頂き物のさくらんぼを食べながら話しかけてくる。誰にもらったって言っていたっけ。
一つ一つが大きくて赤くて艶々した宝石みたいなさくらんぼ。
「これってどれだよ」
返事がなく、モゴモゴと口を動かす彼女。
(また変なことをしている)と思いながらさくらんぼを口に運ぶ。甘酸っぱくて、美味しいと素直に思った。
「これ」と口を開けた彼女の舌の上にはくるんと結ばれたさくらんぼの軸。
「は?」いつものことながら意味不明すぎてポカンとしてしまった。また突拍子もないことを…と呆れるしかない。
彼女の視線を無視してもう一つさくらんぼを摘む。
彼女はニヤニヤしながら
「ワカシくんはこういうことできないもんね〜」だの
「可愛い〜」だのと好き放題言い出した。
煽っているつもりなんだろうが、軸を口の中で結ぶことに何も見出せない。できるからなんなんだ。そう思うと相手にするのも馬鹿らしい。
「…跡部さんはこういうの得意そう」
なぜ急に跡部さんの話になる。と言葉にする前に彼女が、「言ったっけ?このさくらんぼ、跡部さんがくれたって。やっぱり違うね、めっちゃ高級だと思うこれ。」
「あー、でもお金持ちだから軸とか口に入れないか。」
「でも、なんでも出来そうだよね跡部さんだもんね」
俺が喋らないのを良いことに勝手に好きなことを喋っている。
そして急に黙ったと思ったら「若は興味ないか。」なんて笑いながら、再び軸を結んで見せてくる。
得意げな顔。無性に腹が立つ。
「お前、俺のこと舐めてるだろ」
軸を口に入れたは良いものの、どうしろと?という感想しか出てこない。
舌で縦やら横やらにする以外に出来ることがない。
結ぶはおろか、そこに至るまでの丸める工程へのビジョンが見えない。
そんな俺を見て彼女が楽しそうに笑っている。
「チッ…」
全く出来なくても良い事なのに悔しい自分にも腹が立つ。
「ワカシくんは負けず嫌いだねぇ」
頬杖をついている彼女がそうつぶやいた。
彼女が頂き物のさくらんぼを食べながら話しかけてくる。誰にもらったって言っていたっけ。
一つ一つが大きくて赤くて艶々した宝石みたいなさくらんぼ。
「これってどれだよ」
返事がなく、モゴモゴと口を動かす彼女。
(また変なことをしている)と思いながらさくらんぼを口に運ぶ。甘酸っぱくて、美味しいと素直に思った。
「これ」と口を開けた彼女の舌の上にはくるんと結ばれたさくらんぼの軸。
「は?」いつものことながら意味不明すぎてポカンとしてしまった。また突拍子もないことを…と呆れるしかない。
彼女の視線を無視してもう一つさくらんぼを摘む。
彼女はニヤニヤしながら
「ワカシくんはこういうことできないもんね〜」だの
「可愛い〜」だのと好き放題言い出した。
煽っているつもりなんだろうが、軸を口の中で結ぶことに何も見出せない。できるからなんなんだ。そう思うと相手にするのも馬鹿らしい。
「…跡部さんはこういうの得意そう」
なぜ急に跡部さんの話になる。と言葉にする前に彼女が、「言ったっけ?このさくらんぼ、跡部さんがくれたって。やっぱり違うね、めっちゃ高級だと思うこれ。」
「あー、でもお金持ちだから軸とか口に入れないか。」
「でも、なんでも出来そうだよね跡部さんだもんね」
俺が喋らないのを良いことに勝手に好きなことを喋っている。
そして急に黙ったと思ったら「若は興味ないか。」なんて笑いながら、再び軸を結んで見せてくる。
得意げな顔。無性に腹が立つ。
「お前、俺のこと舐めてるだろ」
軸を口に入れたは良いものの、どうしろと?という感想しか出てこない。
舌で縦やら横やらにする以外に出来ることがない。
結ぶはおろか、そこに至るまでの丸める工程へのビジョンが見えない。
そんな俺を見て彼女が楽しそうに笑っている。
「チッ…」
全く出来なくても良い事なのに悔しい自分にも腹が立つ。
「ワカシくんは負けず嫌いだねぇ」
頬杖をついている彼女がそうつぶやいた。