西の天才

午後は準備されたプリントを解く、これしかやることがないのですぐに終わってしまう。
教科ごとに先生方が準備してくれているのを、わざわざ私のために手間をかけてしまっているなと思えるほど大人ではなかったが、簡単すぎるプリントに文句を言うほど幼くは無かった。

養護教諭は昼休み終了のチャイムと共に戻ってきたのち、私の説明を聞いて「財前くんが起きたら薬出すわ」と笑っていた。

プリントが終わり暇すぎるので、養護教諭に仕事をもらう。
「ほなね、めっちゃ裏紙でメモ用紙を作るお仕事してもらおうかな」と新旧入り混じる紙の束をどっさりもらう。

角を合わせて折る、折り目に合わせて切る。
単純作業ゆえ無心で出来て気持ちが良い。
ある程度貯まるとクリップで固定して糊を塗る。

裏紙は去年の体育祭の話が書いてあったり、どこかのクラスの数学のプリントや、誰かの落書きのあるものがごちゃごちゃになっており、私以外の人間の生活が存在していて面白かった。

メモ帳のブロックを3つ作って乾かしてると財前先輩が起きてきた。
養護教諭が症状を確認して「保健室では薬をあげられへんからあんまり痛いなら親御さんに電話するよ」と言ってるのをメモ帳を作る手を止めずに聞いていた。

財前先輩は部活もあるし、寝たら良くなったので教室戻りますとチャイムと共に消えていった。
私の横をすり抜けて行く先輩と目が合うと、なぜか会釈をされたのでつられて会釈を仕返した。
先輩からは初めて嗅ぐ柔軟剤の匂いがして何を使っているのか気になった。

養護教諭が奥のベットを整えるために立ち上がるのを視界の端に捉えながら、メモブロックの5つ目を完成させた。
2/2ページ
スキ