詐欺師
「じゃあの、また明日」
雨の日は駅が混む。人混みが苦手な俺は部活終わりゆっくりと歩く事で混雑を避けるのが常だったが、今日は少し気持ちが急いた。
いつも後ろから眺めていたツヤツヤの黒髪が俺を見上げていた。
「送ってくれてありがと。また、明日。」
と真っ直ぐ目を見て言われた時は流石に心がざわついた。そんな事など知らない彼女は小さく手を振り人混みに消えていった。
自分のペースを取り戻すために、改札前で、さっきのペットボトルの中身を飲み干す。一息ついてやっと自分に戻れた気がした。
ゴミ箱を探しつつ改札を抜ける。
階段を登りながら先を歩くサラリーマンの傘が刺さりそうで少し苛立つ。
いつもより湿度の高い駅のホームで人の少ない車両を目指し歩いていると見覚えのある黒髪が電車を待つ列に並びながら本を読んでいるのが視界に入る。
立ち止まろうかと一瞬考えて、見なかった事にして通り過ぎる。
意識しない様にしているという事はもう意識しているのかもしれない。と心のどこかで思った。
とにかく、また明日。と別れた直後に再会した時なんて言えば良いか今の俺にはわからなかった。
視界の端に彼女を捉えつつ端の車両を待つ列に並ぶ。
リュックを前に抱えて図書室で借りたであろう本を読む彼女は教室にいる時と変わらず、ひとりだった。
雨の日は駅が混む。人混みが苦手な俺は部活終わりゆっくりと歩く事で混雑を避けるのが常だったが、今日は少し気持ちが急いた。
いつも後ろから眺めていたツヤツヤの黒髪が俺を見上げていた。
「送ってくれてありがと。また、明日。」
と真っ直ぐ目を見て言われた時は流石に心がざわついた。そんな事など知らない彼女は小さく手を振り人混みに消えていった。
自分のペースを取り戻すために、改札前で、さっきのペットボトルの中身を飲み干す。一息ついてやっと自分に戻れた気がした。
ゴミ箱を探しつつ改札を抜ける。
階段を登りながら先を歩くサラリーマンの傘が刺さりそうで少し苛立つ。
いつもより湿度の高い駅のホームで人の少ない車両を目指し歩いていると見覚えのある黒髪が電車を待つ列に並びながら本を読んでいるのが視界に入る。
立ち止まろうかと一瞬考えて、見なかった事にして通り過ぎる。
意識しない様にしているという事はもう意識しているのかもしれない。と心のどこかで思った。
とにかく、また明日。と別れた直後に再会した時なんて言えば良いか今の俺にはわからなかった。
視界の端に彼女を捉えつつ端の車両を待つ列に並ぶ。
リュックを前に抱えて図書室で借りたであろう本を読む彼女は教室にいる時と変わらず、ひとりだった。