プロローグ エジプトに

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ジョナサンと##NAME1##はその日の内にホテルをチェックアウトして、離れた駐車場に停められている白いバンに乗り込んだ。

運転席と助手席以外の内装は取り払われており、コンピューターのサーバー機器のようなものがそのスペースの半分を占めている。

「じゃあ、念のためおさらいするよ」

日のある内にホテルを出て先に車に乗り込んでいたジャックが地図を広げる。

「あの」
「何だい##NAME1##ちゃん。車内が狭いっていう意見以外なら聞くよ」
「……」

予知能力でもあるのかと疑う程、極々スムーズに苦情を受け流されてしまった。

狭いだけならまだしも、別の試練が##NAME1##を苦しめていた。香水の香りに混ざって動物園の臭いが漂ってきているのだ。発信源は隣に立っている博士に違いない。

「じゃあ、あの…」

幅が短く天井も低い車内に悪臭が立ちこめる。本人はともかく、ずっと行動を共にしているジャックは慣れてしまったのだろうか。

「周りに誰も居ないし、外に出て話すのは……あ、でも」
「##NAME1##、残念ながらそれは叶わない。何故ならジャックは虫が苦手だからな」

人参の件の仕返しとばかりに、ジョナサンは声高らかに人の弱点をさらけ出す。

「ほら、外は蛾や蛍が飛び回ってるだろ?こんな所に小さな虫一匹で震え上がるような男を放り出したらどんなことになるか…!」
「知ってますよ」
「へ?」

ジョナサンはつぶらな目を丸くした。

「ジャックくん、小バエや蚊も無理だったもんね。忘れててごめん」
「いつも##NAME1##ちゃん達に退治してもらってて、僕は真っ先に逃げてたね」
「懐かしいな~」
「僕は情けないよ…」
「ふふふ」
「前よりはちょっと慣れたんだよ?」

ジャックとそのお友達は幼い頃の思い出に浸り、二人だけで楽しそうに語り始めてしまう。

「……」

仕返しが不発に終わり、一人蚊帳の外へ放り出されたジョナサンは不服そうにして口を結んだ。
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