ステージ4 カイエワン遺跡 作成途中
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最初の仕掛けは非常にわかり易く、入口から数メートル離れた外壁の際に、人一人が乗れる程の平べったいスイッチが砂で埋もれているだけだった。ごく最近見覚えのある紋章が丁寧に彫られており、この遺跡と関係していることは素人の##NAME1##でも一目瞭然だ。
「儀式で見た模様と同じですね」
「そうだな。いよいよ、トレジャーハントの始まりだ!」
「じゃあ僕が扉を開くから、ジョナサンと##NAME1##ちゃんは遺跡の中に入ってね」
「……うん」
「そっちは頼んだぞ。じゃ、行こうか##NAME1##」
ジャックを残し、二人は表面が風化し角が丸みを帯びている扉の前に立つ。ふと、存在感のある石像が##NAME1##の視界の端に入り込んだ。
「この像、ホテルのテラスにも同じものがありましたね」
「ん?ああ、そう言えばあったな」
十字架の上に目玉を象った球体が乗っかっていて、後ろからはやや畳まれた翼が生えた形をしている。それだけでも十分特徴的なのだが、##NAME1##がこの像をよく覚えていたのは他にも理由がある。
「なんだか癒されますね。それに綺麗」
この像も一昨日見かけたものと同じく、土台から水色の光を絶えず放ち続けている。冷感色ではあるが、近付いて手の平をかざせば不思議と温もりを感じた。
「独りでに光ってることには驚かないのか?」
「背中にファスナーの無い兎さんが仰るんですか?」
喋る動物や不死身人間に会ったり身体が浮いたりと、なかなか濃い経験を重ねてきた彼女は少し悪戯っぽく質問を質問で返した。
「ハハハ、##NAME1##ももうすっかり慣れっこだな。この像はこの世とあの世を繋ぐ門で、信じる者は死んでも生き返ると伝えられている。しっかりお祈りしていこう」
「はい」
目を閉じ胸に手を当て、しばしの間二人は黙っていた。
「……と言っても、ジャックが扉を開けっぱなしにしている限り俺達は安全だ。目的地は入口近くだって聞いたし、ハズレててもすぐ引き返せば良い。しかも昨日襲ってきた奴らは見当たらない。幸先良いじゃないか!」
「ジョナサン、##NAME1##ちゃん。準備良いかい?踏むよ」
仲間が仕掛けを作動させると、目の前の扉は真ん中から左右に割れ、石同士の擦れ合う重い音と共にゆっくりと開いていった。
「よし、行くぞ」
「はい」
両壁に等間隔で設置されているトーチにはもれなく火が灯っており、細い通路はオレンジ色に照らされほんのりと明るい。
「ここ、最近は誰も入ってないんですよね?どうして火が…?」
「俺達より先に入った奴等が、罠にかかる前に点けていったんじゃないか?それが残って……あ!あった!あったぞジャック!宝が見える!」
「本当かい!?」
ジャックの居る位置からは到底目にすることは出来ないが、ジョナサンと##NAME1##の正面に黄金の台座が現れた。その上には、これまた黄金色のオブジェが仰々しく飾られている。
「何でしょう、あれは……天秤?」
片方に傾ききった天秤の他には、財宝の陰は一欠片も見当たらない。
「あれで元に戻れるんですね」
「ああ、いよいよだ!」
「おかしいな…」
数メートル離れた入口の外から、ジャックがご機嫌なジョナサンに水を差す。
「どうした?」
「アンドレが通信に応じないんだよ。マホーン博士とデントさんも。僕達が宝を見つけたってことを報告したいのに」
「そんなの後で良いだろ。そんな事より、ちゃんと扉開けておいてくれよ」
「わかってるよ」
「アンドレの奴、人間に戻った俺を見たら悔しがるだろうな~!」
勝利を確信した兎人間は笑いを抑えきれず、モフモフした口元を両手でキュッと押さえた。
「でも、ここからじゃ届かないですね」
残念なことに、底の見えない真っ黒な崖が二人と天秤とを完全に隔てている。その幅はかなり広く、少なく見積もっても十メートルはあるだろう。
「うーん…俺のジャンプであそこまで届くかどうか、微妙な距離だな」
「博士ってそんなに跳べるんですか?」
「兎だからな」
「##NAME1##ちゃん、近くにスイッチみたいなものは無いかい?宝まで辿り着ける仕掛けが何処かにある筈だよ」
「……うん」
「……」
今朝からあまり元気の無い彼女を、ジョナサンは内心を探るかのようにじっと見つめる。
「何も無かったら二人とも一旦出てきて。ここはダミーの可能性だってある。そしたら他の入口も調べなきゃならない」
その心配は無用だった。ジャックが遺跡の外で踏んでいるものとほぼ同じ、床から十数センチせり出している四角いスイッチを見つけた。
「ありましたよ博士」
「お、よくやったぞ!」
これで宝を手に入れ、ジョナサン・バンフィールドは人間の姿に戻り、この件はお終い。という訳にはいかなかった。
##NAME1##が仕掛けを踏んだ途端、解放している筈の入口がいきなり閉ざされ太陽光が遮られた。
「!?」
加えて、向こうまでの足場も出て来ない。ジョナサンと##NAME1##は完全に行き場を失ってしまった。
「おいジャック!どうなってる!?話が違うぞ!」
「わからないよ!僕はこのスイッチの上から動けないから、えーと…とにかく気をつけて!」
くぐもった声が外から届く。その声は大分焦っているが、残念なことに今のジャックには何も出来ない。
「参ったな…」
奥の宝を照らしていた松明が消え、通路のものも順番に消えていく。二人はあっという間に暗闇に包まれた。
「は、博士っ…」
不安と恐怖から手探りでジョナサンを求めるが、虚しくも両手は空を掴むばかり。
「##NAME1##、無闇に動くな。俺がそっちに行くから。まずは明かりを」
恐らく、##NAME1##がスイッチから離れたことが次の仕掛け発動の引き金であったのだろう。突如、床全体が大きく奥へ傾いた。
「うわああああああ!?」
「いやああああああ!!」
大掛かりな罠の前に一匹と一人は為す術も無く、奈落の底へと滑り落ちていった。
「儀式で見た模様と同じですね」
「そうだな。いよいよ、トレジャーハントの始まりだ!」
「じゃあ僕が扉を開くから、ジョナサンと##NAME1##ちゃんは遺跡の中に入ってね」
「……うん」
「そっちは頼んだぞ。じゃ、行こうか##NAME1##」
ジャックを残し、二人は表面が風化し角が丸みを帯びている扉の前に立つ。ふと、存在感のある石像が##NAME1##の視界の端に入り込んだ。
「この像、ホテルのテラスにも同じものがありましたね」
「ん?ああ、そう言えばあったな」
十字架の上に目玉を象った球体が乗っかっていて、後ろからはやや畳まれた翼が生えた形をしている。それだけでも十分特徴的なのだが、##NAME1##がこの像をよく覚えていたのは他にも理由がある。
「なんだか癒されますね。それに綺麗」
この像も一昨日見かけたものと同じく、土台から水色の光を絶えず放ち続けている。冷感色ではあるが、近付いて手の平をかざせば不思議と温もりを感じた。
「独りでに光ってることには驚かないのか?」
「背中にファスナーの無い兎さんが仰るんですか?」
喋る動物や不死身人間に会ったり身体が浮いたりと、なかなか濃い経験を重ねてきた彼女は少し悪戯っぽく質問を質問で返した。
「ハハハ、##NAME1##ももうすっかり慣れっこだな。この像はこの世とあの世を繋ぐ門で、信じる者は死んでも生き返ると伝えられている。しっかりお祈りしていこう」
「はい」
目を閉じ胸に手を当て、しばしの間二人は黙っていた。
「……と言っても、ジャックが扉を開けっぱなしにしている限り俺達は安全だ。目的地は入口近くだって聞いたし、ハズレててもすぐ引き返せば良い。しかも昨日襲ってきた奴らは見当たらない。幸先良いじゃないか!」
「ジョナサン、##NAME1##ちゃん。準備良いかい?踏むよ」
仲間が仕掛けを作動させると、目の前の扉は真ん中から左右に割れ、石同士の擦れ合う重い音と共にゆっくりと開いていった。
「よし、行くぞ」
「はい」
両壁に等間隔で設置されているトーチにはもれなく火が灯っており、細い通路はオレンジ色に照らされほんのりと明るい。
「ここ、最近は誰も入ってないんですよね?どうして火が…?」
「俺達より先に入った奴等が、罠にかかる前に点けていったんじゃないか?それが残って……あ!あった!あったぞジャック!宝が見える!」
「本当かい!?」
ジャックの居る位置からは到底目にすることは出来ないが、ジョナサンと##NAME1##の正面に黄金の台座が現れた。その上には、これまた黄金色のオブジェが仰々しく飾られている。
「何でしょう、あれは……天秤?」
片方に傾ききった天秤の他には、財宝の陰は一欠片も見当たらない。
「あれで元に戻れるんですね」
「ああ、いよいよだ!」
「おかしいな…」
数メートル離れた入口の外から、ジャックがご機嫌なジョナサンに水を差す。
「どうした?」
「アンドレが通信に応じないんだよ。マホーン博士とデントさんも。僕達が宝を見つけたってことを報告したいのに」
「そんなの後で良いだろ。そんな事より、ちゃんと扉開けておいてくれよ」
「わかってるよ」
「アンドレの奴、人間に戻った俺を見たら悔しがるだろうな~!」
勝利を確信した兎人間は笑いを抑えきれず、モフモフした口元を両手でキュッと押さえた。
「でも、ここからじゃ届かないですね」
残念なことに、底の見えない真っ黒な崖が二人と天秤とを完全に隔てている。その幅はかなり広く、少なく見積もっても十メートルはあるだろう。
「うーん…俺のジャンプであそこまで届くかどうか、微妙な距離だな」
「博士ってそんなに跳べるんですか?」
「兎だからな」
「##NAME1##ちゃん、近くにスイッチみたいなものは無いかい?宝まで辿り着ける仕掛けが何処かにある筈だよ」
「……うん」
「……」
今朝からあまり元気の無い彼女を、ジョナサンは内心を探るかのようにじっと見つめる。
「何も無かったら二人とも一旦出てきて。ここはダミーの可能性だってある。そしたら他の入口も調べなきゃならない」
その心配は無用だった。ジャックが遺跡の外で踏んでいるものとほぼ同じ、床から十数センチせり出している四角いスイッチを見つけた。
「ありましたよ博士」
「お、よくやったぞ!」
これで宝を手に入れ、ジョナサン・バンフィールドは人間の姿に戻り、この件はお終い。という訳にはいかなかった。
##NAME1##が仕掛けを踏んだ途端、解放している筈の入口がいきなり閉ざされ太陽光が遮られた。
「!?」
加えて、向こうまでの足場も出て来ない。ジョナサンと##NAME1##は完全に行き場を失ってしまった。
「おいジャック!どうなってる!?話が違うぞ!」
「わからないよ!僕はこのスイッチの上から動けないから、えーと…とにかく気をつけて!」
くぐもった声が外から届く。その声は大分焦っているが、残念なことに今のジャックには何も出来ない。
「参ったな…」
奥の宝を照らしていた松明が消え、通路のものも順番に消えていく。二人はあっという間に暗闇に包まれた。
「は、博士っ…」
不安と恐怖から手探りでジョナサンを求めるが、虚しくも両手は空を掴むばかり。
「##NAME1##、無闇に動くな。俺がそっちに行くから。まずは明かりを」
恐らく、##NAME1##がスイッチから離れたことが次の仕掛け発動の引き金であったのだろう。突如、床全体が大きく奥へ傾いた。
「うわああああああ!?」
「いやああああああ!!」
大掛かりな罠の前に一匹と一人は為す術も無く、奈落の底へと滑り落ちていった。