ステージ3 助手席
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陽はすっかり沈み、日中あんなに高かった温度が急激に下がったことで大分心地良くなった。だが車内の雰囲気も心地良いものに、という訳にはいかなかった。
「まさかこんな大ごとになるとは…」
「おじ様達、大丈夫でしょうか?」
「彼らは大丈夫、三人ともとっても強いから」
アクション映画さながらの銃撃戦をくぐり抜け敵を撒くことに成功した##NAME1##達は今、無傷の白いバンに乗って人気の無い砂漠を突き進んでいる。
「すぐに逃がしてもらって正解だったよ。こっちは普通の人間が二人居るからね」
「おいっ、俺だって普通に怪我するぞ。元は人間だし!」
「人間……そうだね。早く元に戻ろう」
「が、頑張りましょう博士!」
紅一点の##NAME1##は笑顔を崩さずに後ろを向く。だがその拳は冷や汗で湿っていた。
「襲われたってことは、宝が本当にあるから、あちらが焦って仕掛けてきたんですよね!」
「##NAME1##…」
「私だって、それくらい分かるんですからね!」
無理に明るく振る舞う彼女に、二人は申し訳なさそうに眉を下げた。
「##NAME1##、巻き込んでしまって本当に済まない」
自分らが呼び出しさえしなければ、彼女は今頃自宅のベッドで眠りについていただろう。何の変哲もない一般人だった筈だ。
「ジャック、彼女だけ先に帰国させよう」
「いや。これでもう完全に顔が割れてしまったから、一人にさせる方が返って危険だ。空港や飛行機内も危ないかもしれない」
彼の言葉に、しばし車内が静まり返る。
「確かにな…」
「ま、まさか、そんなテロみたいなことまでは…」
「しないかもしれない。でも、もし実行に移されたら##NAME1##ちゃんの身の危険だけじゃなく、多大な被害に繋がる可能性だってあるんだ。それにそもそも…」
ジャックは続けようとしたが、ジョナサンが自分の拳を手の平に打ち付け彼の発言を遮る。
「でもさ、アメリカに帰れればこっちのもんだろ。国防総省に頼めば核シェルターの一つや二つ、すぐに用意してくれるさ。俺達に貸しがあるし」
「イングラム長官か。それは彼の立場上、難しいかもしれない」
「何でだよ!?##NAME1##はアメリカ人だ!国民を守るのが彼の仕事だろう!?」
ジョナサンは声を荒らげたが、ジャックは返答する代わりにハンドルを握る手に少しだけ力を込めた。
「例の武装集団、表向きにはピラミッド保全団体って聞いてたよね」
「あ?ああ、マホーン博士がそんなこと言ってたな」
「あれから僕も調べてみたんだ。そして、マズいことに気付いた」
「な、何だよ、マズいことって」
「僕達は彼らにとっての反乱分子…つまりイリーガルディガーとして、昨日の内から指名手配されている」
「何!?」
「わ、私も!?」
「うん、僕ら六人全員。ネットニュースで大々的にね。テレビやラジオでも、もうすぐ発表されるんじゃないかな」
ジャックが片手でラジオをつけ適当にチャンネルを回すと、丁度そのニュースが流れ出した。
「お前がなんとか出来ないのか?ほら、いつもみたいに…」
「こんなに広まってちゃあ、さすがにどうにも出来ないよ。それにね、無いんだ。捜しても」
「何がだ?」
「奴らの身元情報だよ。どのデータベースにも存在しないから、相手の弱味を握ることすらできない。それでも、なんとかして僕らの無実を証明するまでアメリカは勿論エジプトも危ないんだ。だから##NAME1##ちゃん、悪いけどまだしばらく一緒に行動してもらうよ」
「え…う、うん。そうした方が、良いんだよね…」
車内は葬式のように沈んでいた。気分を変えたくて助手席の窓に目を向けても、外の景色は生憎にも真っ暗。##NAME1##は身を屈めながら辺りの様子をうかがう。
「一応防弾ガラスだけど、不安だったら後ろのジョナサンと代わるかい?毛布があるから仮眠しても良いし」
「ううん、大丈夫。ありがとう」
「お礼が言えるだけ余裕があれば大したもんだ。じゃあ、先に休ませてもらうぞ」
そう言うと早速、ジョナサンは真っ白なバスタオルをお腹に被せて横になった。
「まさかこんな大ごとになるとは…」
「おじ様達、大丈夫でしょうか?」
「彼らは大丈夫、三人ともとっても強いから」
アクション映画さながらの銃撃戦をくぐり抜け敵を撒くことに成功した##NAME1##達は今、無傷の白いバンに乗って人気の無い砂漠を突き進んでいる。
「すぐに逃がしてもらって正解だったよ。こっちは普通の人間が二人居るからね」
「おいっ、俺だって普通に怪我するぞ。元は人間だし!」
「人間……そうだね。早く元に戻ろう」
「が、頑張りましょう博士!」
紅一点の##NAME1##は笑顔を崩さずに後ろを向く。だがその拳は冷や汗で湿っていた。
「襲われたってことは、宝が本当にあるから、あちらが焦って仕掛けてきたんですよね!」
「##NAME1##…」
「私だって、それくらい分かるんですからね!」
無理に明るく振る舞う彼女に、二人は申し訳なさそうに眉を下げた。
「##NAME1##、巻き込んでしまって本当に済まない」
自分らが呼び出しさえしなければ、彼女は今頃自宅のベッドで眠りについていただろう。何の変哲もない一般人だった筈だ。
「ジャック、彼女だけ先に帰国させよう」
「いや。これでもう完全に顔が割れてしまったから、一人にさせる方が返って危険だ。空港や飛行機内も危ないかもしれない」
彼の言葉に、しばし車内が静まり返る。
「確かにな…」
「ま、まさか、そんなテロみたいなことまでは…」
「しないかもしれない。でも、もし実行に移されたら##NAME1##ちゃんの身の危険だけじゃなく、多大な被害に繋がる可能性だってあるんだ。それにそもそも…」
ジャックは続けようとしたが、ジョナサンが自分の拳を手の平に打ち付け彼の発言を遮る。
「でもさ、アメリカに帰れればこっちのもんだろ。国防総省に頼めば核シェルターの一つや二つ、すぐに用意してくれるさ。俺達に貸しがあるし」
「イングラム長官か。それは彼の立場上、難しいかもしれない」
「何でだよ!?##NAME1##はアメリカ人だ!国民を守るのが彼の仕事だろう!?」
ジョナサンは声を荒らげたが、ジャックは返答する代わりにハンドルを握る手に少しだけ力を込めた。
「例の武装集団、表向きにはピラミッド保全団体って聞いてたよね」
「あ?ああ、マホーン博士がそんなこと言ってたな」
「あれから僕も調べてみたんだ。そして、マズいことに気付いた」
「な、何だよ、マズいことって」
「僕達は彼らにとっての反乱分子…つまりイリーガルディガーとして、昨日の内から指名手配されている」
「何!?」
「わ、私も!?」
「うん、僕ら六人全員。ネットニュースで大々的にね。テレビやラジオでも、もうすぐ発表されるんじゃないかな」
ジャックが片手でラジオをつけ適当にチャンネルを回すと、丁度そのニュースが流れ出した。
「お前がなんとか出来ないのか?ほら、いつもみたいに…」
「こんなに広まってちゃあ、さすがにどうにも出来ないよ。それにね、無いんだ。捜しても」
「何がだ?」
「奴らの身元情報だよ。どのデータベースにも存在しないから、相手の弱味を握ることすらできない。それでも、なんとかして僕らの無実を証明するまでアメリカは勿論エジプトも危ないんだ。だから##NAME1##ちゃん、悪いけどまだしばらく一緒に行動してもらうよ」
「え…う、うん。そうした方が、良いんだよね…」
車内は葬式のように沈んでいた。気分を変えたくて助手席の窓に目を向けても、外の景色は生憎にも真っ暗。##NAME1##は身を屈めながら辺りの様子をうかがう。
「一応防弾ガラスだけど、不安だったら後ろのジョナサンと代わるかい?毛布があるから仮眠しても良いし」
「ううん、大丈夫。ありがとう」
「お礼が言えるだけ余裕があれば大したもんだ。じゃあ、先に休ませてもらうぞ」
そう言うと早速、ジョナサンは真っ白なバスタオルをお腹に被せて横になった。