プロローグ エジプトに
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ジャックに言われた通りにシャワーを十分に浴び身体を拭き終わった##NAME1##は、あらかじめ荷物から出しておいた洋服に着替え始める。
「わっ!?」
「?」
シャツを頭から被り丁度前が見えないタイミングで、正面から男性の叫び声が聞こえた。ジャックのものにしては渋すぎる。
「すっ済まない!わざとじゃないんだ!」
頭を完全に通すと、一瞬だが##NAME1##の目にはあり得ないものが映ってしまった。
脱衣所の前から走り去ったのは、通常ならばホテルに居る筈の無い動物、兎。しかも、人間の子供を優に上回るサイズだった。
「……」
見間違いではないし、確かに声を聞いた。足音もした。
「…嘘」
あれは只の兎ではない。
##NAME1##は急いで身なりを整え、ジャックがカートを運んでくれたであろうリビングルームへと駆け込んだ。
「ジャックくんジャックくん!さすがエジプト!いや関係無いか!さっき見たの!兎のモンスター、が…」
兎のモンスターが、友と自分のカートと並んで直立している。
「##NAME1##ちゃん、紹介するよ。ジョナサン・バンフィールド博士だ」
同行者が居るんだけど、彼を見たら驚くと思うよ。電話ではそれくらいしか聞かされていなかった。実際、あり得ない光景に声も出ない。
「先程は大変失礼した」
「全く、君はデリカシーが無いというかそそっかしいというか…」
目の前で、友が人成らざる者と何食わぬ顔で会話している。
「え、と…それは全然気にしてないんだけど……電話で言ってた博士って、そのうさ…その方?」
ジョナサン・バンフィールドは二本の後ろ足でしっかりと立ち、全身は白い毛に覆われ、帽子を突き破るようにして飛び出た長い耳は中程から重力に従い前方に垂れ下がっている。大きな兎が探検家のコスプレをしているようで、見ていておかしな気分になってきた。
「元々ジョナサンは僕達と同じ、人間だったんだよ。呪いで兎の姿に変えられてしまったんだ」
にわかに信じ難いが、この一人と一匹からは他人を騙して楽しんでやろうという気配は一切感じられない。
「この度はご協力感謝する。短い間だが、よろしくな」
人外に話しかけられてしまった。着ぐるみにしては今の口の動きは出来過ぎている。
「よ、よろしくです…」
いつまでも呆気にとられていては先へ進めない。現実として受け入れるしかなさそうだ。
ジョナサンは利き手を差し出したが、##NAME1##は目の前へと自然に突き出された垂れ耳の端をすくい上げるように掴んだ。
「そこは手じゃない」
「ごめんなさい!つい…!」
やや低いトーンで放たれた言葉に逆らわず、##NAME1##はすぐさま手を離した。今度こそ前足と握手する。
「……」
「…さて。遥々君に」
「あの!もう一回握手していただいてもよろしいですか?」
「?…ああ、構わないが…」
訳も分からず再度手を差し出すと、年頃の娘は目を輝かせ両手でしっかりと握り締めてきた。
「わぁ…!」
やはり素晴らしい。
毛は一本一本が細く非常に柔らかい。よって彼は全体的にふわふわとしているが、かと言ってすぐ抜け落ちてまとわりついてくるような鬱陶しさは一切無く、適度に収まっている毛並みには潤いすら感じられる。兎の姿になってから念入りにブラッシングでもしているのだろうか。
感動した##NAME1##はしばらくジョナサンの触り心地を堪能していた。
「ふふ……あ、済みません!私ったら…」
初対面の男性に対してかなり失礼なことをしてしまった。羞恥心から両手を引っ込める。
「兎の姿も悪くないな」
「ジョナサン…君って奴は…」
良い歳をした男は満更でもない表情どころか鼻の下を伸ばしまくっている。ただ、##NAME1##にとってはそんな小動物の顔も可愛らしく思えた。
「わっ!?」
「?」
シャツを頭から被り丁度前が見えないタイミングで、正面から男性の叫び声が聞こえた。ジャックのものにしては渋すぎる。
「すっ済まない!わざとじゃないんだ!」
頭を完全に通すと、一瞬だが##NAME1##の目にはあり得ないものが映ってしまった。
脱衣所の前から走り去ったのは、通常ならばホテルに居る筈の無い動物、兎。しかも、人間の子供を優に上回るサイズだった。
「……」
見間違いではないし、確かに声を聞いた。足音もした。
「…嘘」
あれは只の兎ではない。
##NAME1##は急いで身なりを整え、ジャックがカートを運んでくれたであろうリビングルームへと駆け込んだ。
「ジャックくんジャックくん!さすがエジプト!いや関係無いか!さっき見たの!兎のモンスター、が…」
兎のモンスターが、友と自分のカートと並んで直立している。
「##NAME1##ちゃん、紹介するよ。ジョナサン・バンフィールド博士だ」
同行者が居るんだけど、彼を見たら驚くと思うよ。電話ではそれくらいしか聞かされていなかった。実際、あり得ない光景に声も出ない。
「先程は大変失礼した」
「全く、君はデリカシーが無いというかそそっかしいというか…」
目の前で、友が人成らざる者と何食わぬ顔で会話している。
「え、と…それは全然気にしてないんだけど……電話で言ってた博士って、そのうさ…その方?」
ジョナサン・バンフィールドは二本の後ろ足でしっかりと立ち、全身は白い毛に覆われ、帽子を突き破るようにして飛び出た長い耳は中程から重力に従い前方に垂れ下がっている。大きな兎が探検家のコスプレをしているようで、見ていておかしな気分になってきた。
「元々ジョナサンは僕達と同じ、人間だったんだよ。呪いで兎の姿に変えられてしまったんだ」
にわかに信じ難いが、この一人と一匹からは他人を騙して楽しんでやろうという気配は一切感じられない。
「この度はご協力感謝する。短い間だが、よろしくな」
人外に話しかけられてしまった。着ぐるみにしては今の口の動きは出来過ぎている。
「よ、よろしくです…」
いつまでも呆気にとられていては先へ進めない。現実として受け入れるしかなさそうだ。
ジョナサンは利き手を差し出したが、##NAME1##は目の前へと自然に突き出された垂れ耳の端をすくい上げるように掴んだ。
「そこは手じゃない」
「ごめんなさい!つい…!」
やや低いトーンで放たれた言葉に逆らわず、##NAME1##はすぐさま手を離した。今度こそ前足と握手する。
「……」
「…さて。遥々君に」
「あの!もう一回握手していただいてもよろしいですか?」
「?…ああ、構わないが…」
訳も分からず再度手を差し出すと、年頃の娘は目を輝かせ両手でしっかりと握り締めてきた。
「わぁ…!」
やはり素晴らしい。
毛は一本一本が細く非常に柔らかい。よって彼は全体的にふわふわとしているが、かと言ってすぐ抜け落ちてまとわりついてくるような鬱陶しさは一切無く、適度に収まっている毛並みには潤いすら感じられる。兎の姿になってから念入りにブラッシングでもしているのだろうか。
感動した##NAME1##はしばらくジョナサンの触り心地を堪能していた。
「ふふ……あ、済みません!私ったら…」
初対面の男性に対してかなり失礼なことをしてしまった。羞恥心から両手を引っ込める。
「兎の姿も悪くないな」
「ジョナサン…君って奴は…」
良い歳をした男は満更でもない表情どころか鼻の下を伸ばしまくっている。ただ、##NAME1##にとってはそんな小動物の顔も可愛らしく思えた。