ステージ2 スチュワートホテル
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翌朝。朝食を済ませたメンバーはスチュワートホテルを出発する前に一息ついていた。
「おい嬢ちゃん、トマトジュースはもう無いのか?」
バスローブ姿のアンドレは空の瓶を振りながら、たまたま冷蔵庫近くに立っていた##NAME1##に声をかける。
「くつろぎ過ぎだろお前…仮にも昨日、命を狙われたんだぞ?」
「お前と違って不死身だからな」
「不死身でもそんな格好じゃお宝探しできないだろ」
彼とは対照的に、ジョナサンは愛用のサファリジャケットをしっかりと着込み準備万端だ。アンドレに軽く言い返され、腹を立てるまでは行かないにしろ彼は呆れ半分でムッと口を結んだ。
「その瓶で最後みたいです、おじ様。注文しますか?」
「頼む」
冷蔵庫の扉を閉じた##NAME1##はベッドの縁に座り、枕元に設置されている内線電話を手に取った。
「どんだけ飲むんだよ。あ、##NAME1##!ついでにうどんあるか聞いてみてくれ」
「お前こそどんだけ食べるんだよ。それにうどんなんてある訳ないだろ。ここはエジプトだ」
「うるさい」
「うどんですね。一応聞いてみますから」
「ほら、##NAME1##は聞いてくれるって言ってるぞ」
睨み合う二匹を背に受話器を耳に当てたところで、ふと誰かからの視線を感じ、顔を上げる。
「素直なおなごは可愛いのう~」
「!?」
今朝から何故か姿を見なかった老人の顔面が、##NAME1##の視界いっぱいに現れた。
「ぐんも~に~ん」
「デ、デントさん!帰ってらっしゃったんですね」
「じいさん、どこ行ってたんだ?」
「朝の掃除…いや、散歩じゃ」
外に出掛けていたのならば尚更、ベッドの上で土足のままあぐらを掻くべきではないと思う。
「びっくりさせないでくださいよ、今からフロントに注文するとこなんですから」
「赤ワインも追加で頼むぞい」
「まあ、お酒飲まれるんですか?お元気ですね」
「じいさんはこう見えて129歳の超人だからな」
「ひゃ、129歳!?」
ジョナサンの言葉に、思わず受話器を取り落としそうになった。見た目から80歳前後だと勝手に思い込んでいたが、まさかギネス級のお年寄りとは。
「お…お元気ですね…」
「伊達に生きとらんからの」
兎に亀に不老不死に長寿に、最早何でもありな集団だ。それが不安要素という訳ではないし、むしろ心強いのだが、唯一普通の人間同士であるジャックがメンバーの中に居てくれて彼女は内心ほっとしている。
「デントのじいさんは、“デントさん”なのか…」
「?」
「なあ……どうしてアンドレだけ“おじ様”なんだ?もう自己紹介したから名前は知ってるだろ?」
ジョナサンはこれから向かう遺跡についてでもデントの長寿についてでもなく、どうでも良い質問を極めて神妙な面持ちで##NAME1##に投げかけた。
「こそばゆいって言われてたじゃないか」
「ええと…なんとなく、しっくりくるので」
「いつから定着したんだ?」
「定着…うーん……初めてお会いした時から、ずっとそう呼ばせていただいています。多分」
「こいつおじ様ってガラじゃないだろ」
「うるさいな。好きに呼ばせてやれ」
負けず嫌いな彼はまだまだ聞き出すつもりでいたが、あまりにもしつこいためおじ様本人が口を挟んだ。
「まあ、そう、だな…」
「……」
##NAME1##は口ごもる兎を放っておき、なかなか応答しない電話の相手が出るのを気長に待ち続ける。一方で、彼女以外からの視線が彼一人に集まった。
「ジョナサン、お前…羨ましいのか?おじ様呼びが」
「全然」
「羨ましいんだね」
「まさか!」
「羨ましいんじゃろ」
「違う」
「羨ましいと顔に書いてある」
「マホーン博士まで!」
全く使い物にならない受話器を一旦置き、彼の不満の元凶もこのお喋りに加わる。
「でも、ジョナサン博士はおじ様って感じはしませんし…」
「!」
彼女の何気ない言葉をきっかけに、いつもぴょこぴょこふわふわ動いている耳は力を失い、付け根から重力に従って完全に垂れ下がってしまった。
「えっと!その代わり、触り心地はピカイチですよ!博士の毛並みが私一番好きです!」
ジョナサンはまだ俯いているが彼の両耳は正直である。音が聞こえるのではないかと言う程にピンと跳ね上がり、中腹から先はパタパタと忙しなく動き続け、隣のジャックの髪の毛を扇いでいる。博士の機嫌は見事なまでに復活した。
「フ、そうか……今日はお腹も触って良いぞ」
「待て」
大胆にたくし上げられた上着の下から覗くフサフサな腹に、紳士は回転の勢いに乗せて亀の尻尾を力の限り叩きつけた。
「おい嬢ちゃん、トマトジュースはもう無いのか?」
バスローブ姿のアンドレは空の瓶を振りながら、たまたま冷蔵庫近くに立っていた##NAME1##に声をかける。
「くつろぎ過ぎだろお前…仮にも昨日、命を狙われたんだぞ?」
「お前と違って不死身だからな」
「不死身でもそんな格好じゃお宝探しできないだろ」
彼とは対照的に、ジョナサンは愛用のサファリジャケットをしっかりと着込み準備万端だ。アンドレに軽く言い返され、腹を立てるまでは行かないにしろ彼は呆れ半分でムッと口を結んだ。
「その瓶で最後みたいです、おじ様。注文しますか?」
「頼む」
冷蔵庫の扉を閉じた##NAME1##はベッドの縁に座り、枕元に設置されている内線電話を手に取った。
「どんだけ飲むんだよ。あ、##NAME1##!ついでにうどんあるか聞いてみてくれ」
「お前こそどんだけ食べるんだよ。それにうどんなんてある訳ないだろ。ここはエジプトだ」
「うるさい」
「うどんですね。一応聞いてみますから」
「ほら、##NAME1##は聞いてくれるって言ってるぞ」
睨み合う二匹を背に受話器を耳に当てたところで、ふと誰かからの視線を感じ、顔を上げる。
「素直なおなごは可愛いのう~」
「!?」
今朝から何故か姿を見なかった老人の顔面が、##NAME1##の視界いっぱいに現れた。
「ぐんも~に~ん」
「デ、デントさん!帰ってらっしゃったんですね」
「じいさん、どこ行ってたんだ?」
「朝の掃除…いや、散歩じゃ」
外に出掛けていたのならば尚更、ベッドの上で土足のままあぐらを掻くべきではないと思う。
「びっくりさせないでくださいよ、今からフロントに注文するとこなんですから」
「赤ワインも追加で頼むぞい」
「まあ、お酒飲まれるんですか?お元気ですね」
「じいさんはこう見えて129歳の超人だからな」
「ひゃ、129歳!?」
ジョナサンの言葉に、思わず受話器を取り落としそうになった。見た目から80歳前後だと勝手に思い込んでいたが、まさかギネス級のお年寄りとは。
「お…お元気ですね…」
「伊達に生きとらんからの」
兎に亀に不老不死に長寿に、最早何でもありな集団だ。それが不安要素という訳ではないし、むしろ心強いのだが、唯一普通の人間同士であるジャックがメンバーの中に居てくれて彼女は内心ほっとしている。
「デントのじいさんは、“デントさん”なのか…」
「?」
「なあ……どうしてアンドレだけ“おじ様”なんだ?もう自己紹介したから名前は知ってるだろ?」
ジョナサンはこれから向かう遺跡についてでもデントの長寿についてでもなく、どうでも良い質問を極めて神妙な面持ちで##NAME1##に投げかけた。
「こそばゆいって言われてたじゃないか」
「ええと…なんとなく、しっくりくるので」
「いつから定着したんだ?」
「定着…うーん……初めてお会いした時から、ずっとそう呼ばせていただいています。多分」
「こいつおじ様ってガラじゃないだろ」
「うるさいな。好きに呼ばせてやれ」
負けず嫌いな彼はまだまだ聞き出すつもりでいたが、あまりにもしつこいためおじ様本人が口を挟んだ。
「まあ、そう、だな…」
「……」
##NAME1##は口ごもる兎を放っておき、なかなか応答しない電話の相手が出るのを気長に待ち続ける。一方で、彼女以外からの視線が彼一人に集まった。
「ジョナサン、お前…羨ましいのか?おじ様呼びが」
「全然」
「羨ましいんだね」
「まさか!」
「羨ましいんじゃろ」
「違う」
「羨ましいと顔に書いてある」
「マホーン博士まで!」
全く使い物にならない受話器を一旦置き、彼の不満の元凶もこのお喋りに加わる。
「でも、ジョナサン博士はおじ様って感じはしませんし…」
「!」
彼女の何気ない言葉をきっかけに、いつもぴょこぴょこふわふわ動いている耳は力を失い、付け根から重力に従って完全に垂れ下がってしまった。
「えっと!その代わり、触り心地はピカイチですよ!博士の毛並みが私一番好きです!」
ジョナサンはまだ俯いているが彼の両耳は正直である。音が聞こえるのではないかと言う程にピンと跳ね上がり、中腹から先はパタパタと忙しなく動き続け、隣のジャックの髪の毛を扇いでいる。博士の機嫌は見事なまでに復活した。
「フ、そうか……今日はお腹も触って良いぞ」
「待て」
大胆にたくし上げられた上着の下から覗くフサフサな腹に、紳士は回転の勢いに乗せて亀の尻尾を力の限り叩きつけた。