Case12 無償の愛
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店を後にした顔本達は閑散とした渋谷のスクランブル交差点の中央をゆっくり歩んでいた。
「自分で歩けるわいっ」
「絶対放しちゃダメよ2人とも」
「はいっ」
「今解放したらお店に舞い戻りそう、この酔っ払い」
「もう満足したもーん」
特に顔本の声が遠くまで響き渡る。数時間前まで点灯式で賑わっていたとは思えない程辺りは静まり返っている。時空災害中でなければ考えられない光景だ。
「あー楽しかった!」
「全く…」
今日の仕事をようやく本当の意味で終えられた。泉海は前を歩く女子達の後ろで深くため息を吐いた。
「ああっ、危ないですよ、ちゃんと私の肩に掴まって…ひゃっ!?わ、わき腹やめて…!」
「顔本さん、次やったらカウンセリング係の話取り下げますからね」
「ちっくしょ~っ」
「うわっ臭っ!この大人お酒臭っ!もぉー、せっかくお風呂入ったのにぃー!」
「うへへ~、楽しかった~…」
顔本はしみじみと空を見上げた。今日は珍しいことに、月の他にも多くの星々がさり気なく瞬いている。
「楽しくさせて、もらったんだなぁ…」
生暖かい夜風が彼女達を柔く包んだ。
「電気無かった間も、やってたんだってさ、お店。タダ酒で。みんなの為に。凄いよなぁ」
「お酒くらい我慢すれば良いのに。こーいう人が出てくるから!」
ルウは毒づきながら、ずり落ちそうになる酔っ払いの肩をしっかり担ぎ直してやる。
「いやいやいや、キッツい生活が1日やそこらっつー話じゃないじゃん?だからこそ癒しもないとやってけないよぉ~」
「……まあ、人に迷惑かけなければ別に良いんじゃない?私はゴメンだけど!」
「お店の人達、コスプレもして、明るくもてなしてくれてたんですね…私にはとても出来ないなぁ…」
「偵察、成功ですね」
泉海の言葉で全員が静かに微笑んだ。
矢面に立っている自分達の知らないところで、渋谷の人々も日々懸命に支え合い、今を生き抜いている。
「うっし、また明日から頑張ろ!」
「なら早速明朝、早くて今夜、黒岩さんの愛のムチに耐えてくださいね」
飲んだくれの足取りは急激に重くなる。
「……もう一杯引っかけてきても」
「ダメ!!」
現実逃避は3人から声を揃えて反対された。
「自分で歩けるわいっ」
「絶対放しちゃダメよ2人とも」
「はいっ」
「今解放したらお店に舞い戻りそう、この酔っ払い」
「もう満足したもーん」
特に顔本の声が遠くまで響き渡る。数時間前まで点灯式で賑わっていたとは思えない程辺りは静まり返っている。時空災害中でなければ考えられない光景だ。
「あー楽しかった!」
「全く…」
今日の仕事をようやく本当の意味で終えられた。泉海は前を歩く女子達の後ろで深くため息を吐いた。
「ああっ、危ないですよ、ちゃんと私の肩に掴まって…ひゃっ!?わ、わき腹やめて…!」
「顔本さん、次やったらカウンセリング係の話取り下げますからね」
「ちっくしょ~っ」
「うわっ臭っ!この大人お酒臭っ!もぉー、せっかくお風呂入ったのにぃー!」
「うへへ~、楽しかった~…」
顔本はしみじみと空を見上げた。今日は珍しいことに、月の他にも多くの星々がさり気なく瞬いている。
「楽しくさせて、もらったんだなぁ…」
生暖かい夜風が彼女達を柔く包んだ。
「電気無かった間も、やってたんだってさ、お店。タダ酒で。みんなの為に。凄いよなぁ」
「お酒くらい我慢すれば良いのに。こーいう人が出てくるから!」
ルウは毒づきながら、ずり落ちそうになる酔っ払いの肩をしっかり担ぎ直してやる。
「いやいやいや、キッツい生活が1日やそこらっつー話じゃないじゃん?だからこそ癒しもないとやってけないよぉ~」
「……まあ、人に迷惑かけなければ別に良いんじゃない?私はゴメンだけど!」
「お店の人達、コスプレもして、明るくもてなしてくれてたんですね…私にはとても出来ないなぁ…」
「偵察、成功ですね」
泉海の言葉で全員が静かに微笑んだ。
矢面に立っている自分達の知らないところで、渋谷の人々も日々懸命に支え合い、今を生き抜いている。
「うっし、また明日から頑張ろ!」
「なら早速明朝、早くて今夜、黒岩さんの愛のムチに耐えてくださいね」
飲んだくれの足取りは急激に重くなる。
「……もう一杯引っかけてきても」
「ダメ!!」
現実逃避は3人から声を揃えて反対された。