Case12 無償の愛
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薄暗い店内をミラーボールが忙しなく照らして回る。硬すぎも軟らかすぎもしないソファに深く腰掛けるは、渋谷中心街自治会代表の老人と怪我が治りきっていない一般女性。
「あそうそう会長、矢沢って先生そっち居る?」
「何かの詮索なら、先程も言ったが答えんぞ!」
「女のさ~、下の名前なんつったかなぁ~、なんとか先生ってみんな呼んでんだよ~」
「まるで聞いとらん…」
「フフ、空いたグラスお下げしますね」
ミニスカートの美女店員はオーナーと女性客の会話を邪魔しないよう気遣いながら、ローテーブルを手際よく片していく。
「居たら伝えといてくんない?今度怪我人放置したら、ここの店の保険医デーできわどいコスプレさせるから覚悟しとけー!ってな」
「勝手なことを言うな!何だ保険医デーって、えらく限定的な。うちの店は今日の分とナース服しか持っとらん」
「じゃナースでまとめるか」
「まだやると決めとらんぞ!」
「い、居たぁー!!」
客も従業員もオーナーも、大声のした方向へ一斉に振り向く。このキャバクラ店フロアの入口で、渋谷警察署所属の巡査長、泉海香苗が仁王立ちしている。
「あはぁ~、みんな喜べー!本物のミニスカポリスだぁ~」
本職警官の側に立っている偽物警官のジャケットとミニスカートは、店内の照明光を反射しテカテカ輝きまくっている。夜の接客向きに製作されたコスプレ衣装の素材故だ。
「本物のって、あんたもそうじゃないか」
「私はサツじゃなくてエセボランティア。これ市販のワイシャツとスカートだし。服も職もモノホンだからこその煌めきが尊いんだよ会長さん」
「そのモノホンの手を煩わせているのは何処の相談窓口係さんですかっ!?」
艶かしい網タイツの森の中、公共の場に相応しい地味なストッキングがつかつかと大股で近付いてくる。
「書き置き見ました~?やぁーすいません、ルウちゃんから聞いてどんな酷いセクハラ現場かと疑ってかかったら、なぁんと極楽でした~!やりますねぇ会長~」
「ハンッ、セクハラ?全く以て人聞きの悪い。うちはお客さんは勿論、従業員も大切にしながら経営しとるんだ」
「確保ー!」
泉海の合図で女子2人に二の腕を片方ずつ持ち上げれ、顔本は強制的に起立した。
「おおっ、今夜はぴっちり戦闘スーツも……え?もうオアイソ?」
無言のルウと愛鈴によって、酔っ払いは居心地最高のソファから通路へ引きずり出された。
「もうっ勝手に抜け出して!申し訳ございません、うちの部下が大変なご迷惑を…!」
「水注すようなことしなさんな婦警さん。せっかく盛り上がってきたところなのに」
「そーそー、息抜きも必要だよ~?ところで男子達は?姿が見えないねぇ。ついでに夜の世界もお勉強してけば良いじゃ~ん?」
「そう来ると思って、彼らには留守番してもらってます」
回答はジト目の泉海から冷たく言い放たれた。顔本は両脇からもお叱りを受ける。
「兄さん達、未成年なんですけど!」
「やめてくださいっ!だ、大介は、こういうのまだ早いと思うからっ」
「あらそぉ~」
無抵抗の顔本が連行されていき、店内は元の雰囲気を取り戻していく。
「お騒がせしてしまい申し訳ございませんでした、失礼します」
「ナースデー考えといてね横山会長~」
去り際にルウは因縁の横山会長をひと睨みして出て行った。
「あそうそう会長、矢沢って先生そっち居る?」
「何かの詮索なら、先程も言ったが答えんぞ!」
「女のさ~、下の名前なんつったかなぁ~、なんとか先生ってみんな呼んでんだよ~」
「まるで聞いとらん…」
「フフ、空いたグラスお下げしますね」
ミニスカートの美女店員はオーナーと女性客の会話を邪魔しないよう気遣いながら、ローテーブルを手際よく片していく。
「居たら伝えといてくんない?今度怪我人放置したら、ここの店の保険医デーできわどいコスプレさせるから覚悟しとけー!ってな」
「勝手なことを言うな!何だ保険医デーって、えらく限定的な。うちの店は今日の分とナース服しか持っとらん」
「じゃナースでまとめるか」
「まだやると決めとらんぞ!」
「い、居たぁー!!」
客も従業員もオーナーも、大声のした方向へ一斉に振り向く。このキャバクラ店フロアの入口で、渋谷警察署所属の巡査長、泉海香苗が仁王立ちしている。
「あはぁ~、みんな喜べー!本物のミニスカポリスだぁ~」
本職警官の側に立っている偽物警官のジャケットとミニスカートは、店内の照明光を反射しテカテカ輝きまくっている。夜の接客向きに製作されたコスプレ衣装の素材故だ。
「本物のって、あんたもそうじゃないか」
「私はサツじゃなくてエセボランティア。これ市販のワイシャツとスカートだし。服も職もモノホンだからこその煌めきが尊いんだよ会長さん」
「そのモノホンの手を煩わせているのは何処の相談窓口係さんですかっ!?」
艶かしい網タイツの森の中、公共の場に相応しい地味なストッキングがつかつかと大股で近付いてくる。
「書き置き見ました~?やぁーすいません、ルウちゃんから聞いてどんな酷いセクハラ現場かと疑ってかかったら、なぁんと極楽でした~!やりますねぇ会長~」
「ハンッ、セクハラ?全く以て人聞きの悪い。うちはお客さんは勿論、従業員も大切にしながら経営しとるんだ」
「確保ー!」
泉海の合図で女子2人に二の腕を片方ずつ持ち上げれ、顔本は強制的に起立した。
「おおっ、今夜はぴっちり戦闘スーツも……え?もうオアイソ?」
無言のルウと愛鈴によって、酔っ払いは居心地最高のソファから通路へ引きずり出された。
「もうっ勝手に抜け出して!申し訳ございません、うちの部下が大変なご迷惑を…!」
「水注すようなことしなさんな婦警さん。せっかく盛り上がってきたところなのに」
「そーそー、息抜きも必要だよ~?ところで男子達は?姿が見えないねぇ。ついでに夜の世界もお勉強してけば良いじゃ~ん?」
「そう来ると思って、彼らには留守番してもらってます」
回答はジト目の泉海から冷たく言い放たれた。顔本は両脇からもお叱りを受ける。
「兄さん達、未成年なんですけど!」
「やめてくださいっ!だ、大介は、こういうのまだ早いと思うからっ」
「あらそぉ~」
無抵抗の顔本が連行されていき、店内は元の雰囲気を取り戻していく。
「お騒がせしてしまい申し訳ございませんでした、失礼します」
「ナースデー考えといてね横山会長~」
去り際にルウは因縁の横山会長をひと睨みして出て行った。